caguirofie

哲学いろいろ

書評・現代の思想

#77

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §14 補論 思想についての考え方 e §14−3 今村仁司:《批判への意志》(つづき) けっきょく この議論にかんれんしてわれわれが言えることは やはり 確かにわれわれも 思想の出発点に…

#76

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §14 補論 思想についての考え方 d §14−3 今村仁司:《批判への意志》 第一原則は――個人が思想するというのだが―― それの放棄という自殺を 無効と見ている。第二原則は――個人が思想…

#75

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §14 補論 思想についての考え方 c §14−2(つづき) 嘘に対して嘘であることを指摘するのは 一つの問答過程であるが 時間を止めてそれの告発におもむくのは その相手と別の形態での第…

#74

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §14 補論 思想についての考え方 b §14−2 よって 思想は 思想することであり 生きることである。そこにある制約は この《生きる》を思想としては ただことばで説明するものだという性…

#73

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §14 補論 思想についての考え方 a §14−1 思想は 問答の過程である。問題と答案との発展の過程。 思想は 個人個人の社会生活すなわち 現実そのことであるが これを言葉で表わすもので…

#72

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §13 M.パンゲ《自死の日本史》 m §13−8(つづき) 片方の自殺で最後の決着がつけられるこのような対立関係においては 意志的に死んでゆく者も実際にはほとんど意志的に死を選ぶわ…

#71

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §13 M.パンゲ《自死の日本史》 l §13−8 パンゲの書物である。 物語によると ヤマトタケルは東国遠征のなかで いまの東京湾をわたろうとするとき 嵐に遭った。そのときタケルに従…

#70

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §13 M.パンゲ《自死の日本史》 k §13−7 今村仁司《現代思想の系譜学》(つづき) すなわち すでに異感状態を承認したから 分裂しているのであろう。また 分裂状態が そもそもの初…

#69

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §13 M.パンゲ《自死の日本史》 j §13−7 今村仁司《現代思想の系譜学》 現代思想の系譜学作者: 今村仁司出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1986/08メディア: 単行本購入: 1人 クリ…

#68

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §13 M.パンゲ《自死の日本史》i §13−6 山口昌男《歴史・祝祭・神話 (中公文庫 M 60-2)》 (つづき) もし山口に対してわれわれが この文章にかんして言うことを持つとすれば 《そ…

#67

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §13 M.パンゲ《自死の日本史》h §13−6 山口昌男《歴史・祝祭・神話 (中公文庫 M 60-2)》 歴史・祝祭・神話 (1974年)作者: 山口昌男出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1974メディ…

#66

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §13 M.パンゲ《自死の日本史》 g §13−5 (1) キリスト教は キリスト磔刑によって そもそもの起源から犠牲への道に踏みこんでいた。それゆえキリスト教はそれだけ一層厳密に犠牲…

#65

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §13 M.パンゲ《自死の日本史》 f §13−4(つづき) 自分たちのほうも 犠牲をこうむっているという言い分をつくりあげる。犠牲者を思うことこそが 人間の自由でありその持続である…

#64

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §13 M.パンゲ《自死の日本史》 e §13−4 与えられたその複雑な全体においては 文化というものは人間の顔に似たところがある。群集のなかで人間の顔をひとつひとつ見分けてゆくこと…

#63

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §13 M.パンゲ《自死の日本史》 d §13−3(つづき) わたしはこの立言を 弱い同感動態だと思う。そうだとしたら それは どこでそうなのであろう。《そんなこと――すなわち 自分自身…

#62

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §13 M.パンゲ《自死の日本史》 c §13−3 わたしはパンゲが 次のように述べるとき おおむね同意する。 《意志的な死》が日本文学のなかに残した痕跡をとおして わたしはそれぞれの時…

#61

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §13 M.パンゲ《自死の日本史》 b §13−2 《自死は有効でありうるかの基本の問い》に対する《第一答としての否》 これにかんするパンゲの説明は いま一つもの足りない。 キリスト教…

#60

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §13 M.パンゲ《自死の日本史》 a 自死の日本史作者: モーリスパンゲ,竹内信夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1986/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (15件) を見る Volunta…

#59

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §12 対話交通の思想 d §12−2(つづき) (38)この別種の心理起動力派は 認識と判断との理性・精神活動を じゅうぶんおこなっているのであり 理論をつくり そこでは 対話も重んじ…

#58

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §12 対話交通の思想 c §12−2 (24)前節の図解に もう少しくわしい内容を取り入れることができる。 個人の生活態度における A.出発点:自己(行為能力の主体)=関係存在・・・・…

#57

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §12 対話交通の思想 b §12−1(つづき) (13)仲介者をもっぱらの仕事している人とて 自由ではないであろう。そしてそれは みづからが当事者であることを拒むようなところもあるの…

#56

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §12 対話交通の思想 a §12−1 これまでの議論から 次の図解を得る。 生活態度における A. 出発点(=推進力) : 同感人 (互いに同意を形づくり得る関係存在であること) B. 〔推…

#55

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §11 山口昌男『知の遠近法 (岩波現代文庫)』 o §11−11 わたしは 文化人類学一般が時代の注目を浴びるようになったからでないなら 山口昌男その人が注目を浴びるそのわけは この《知…

#54

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §11 山口昌男『知の遠近法 (岩波現代文庫)』 n §11−10 映画といった創作は その作者の主張が 直接に結論として ことばによって 表現されたと見分けがたいところがあるので 思想をか…

#53

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §11 山口昌男『知の遠近法 (岩波現代文庫)』 m §11−9(つづき) だから 《周縁性の歴史学に向かって》(第九章)旅立つことも ないと思われる。もちろん――わたしが勝手に解釈すれば―…

#52

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §11 山口昌男『知の遠近法 (岩波現代文庫)』 l §11−9 われわれは 一人ひとりが 知恵を出し合っていく それが一般論として重要だという当たり前の踏み出し地点のみを ここでは 語って…

#51

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §11 山口昌男『知の遠近法 (岩波現代文庫)』 k §11−8(つづき) 治癒といっても 誰が治癒されるべきか 治癒するとはどういうことなのか 誰がなぜ治癒するのか ということは その社会…

#50

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §11 山口昌男『知の遠近法 (岩波現代文庫)』 j §11−8 《それが起こったかどうか 仮りに起こったとしても 別にどうということはない》と見る《生に対する乾いた姿勢》は しかしながら…

#49

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §11 山口昌男『知の遠近法 (岩波現代文庫)』 i §11−7 出発点からの踏み出し そしてただしそれの一般論 こういった主題を考えるによい材料を提供してくれているから 山口昌男のいまの…

#48

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207 第二部 踏み出しの地点 §11 山口昌男『知の遠近法 (岩波現代文庫)』 h §11−6 山口昌男との対話 その進展 そこにおけるわれわれの新しい問い返しは 山口がその著書と一体であるということである。研究成果・…