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哲学いろいろ

時間的なるもの

#14

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― 時間的なるもの もくじ α 序――《出発》としての《時間》――:2006-06-24 - caguirofie060624 β 《時間》――《意識》的と《情感》的と――:2006-06-25 - caguirofie060625 γ 《意識》――文学・社会思想的と社会科学的と――:20…

#13

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― もくじ→2006-07-07 - caguirofie060707 θ さて 水田・平田そして吉本の描くようなぼくたちの実存へのあの第四の意識の摂り込みによる《時間》の方向性は 基本的には たとえばマルクスの《フォイエルバッハにかんするテー…

#12

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― もくじ→2006-07-07 - caguirofie060707 η さて 江藤淳および吉本隆明によって ぼくたちの《時間》をながめてみるところに来た。 すなわち 言葉の世界における衣替えによる時間と やはり 時間そのものの衣替えによる時間…

#11

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― もくじ→2006-07-07 - caguirofie060707 ζ‐3 ぼくたちが いま見ようとしている点は 別の角度から述べれば 次のようである。 例によってまず引用から始める。 次の引用については 平田によるマルクスに関する専門的な研究…

#10

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― もくじ→2006-07-07 - caguirofie060707 ζ‐2 平田清明は 先にあげた水田と同じく 第四の意識と明確に 縁組みの成立を見て 対峙する地点にある。すなわち 認識・客観分析と 批判・主体的意欲との統合を見ることによって …

#9

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― もくじ→2006-07-07 - caguirofie060707 ζ さて この章で登場する新しい二人とは 遠藤周作と平田清明とである。 前章までの議論に沿って言えばもちろん 前者が《衣替えによる〈時間〉》の そして後者が《〈時間〉の衣替え…

#8

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― もくじ→2006-07-07 - caguirofie060707 ε ‐2 そこでもう一度 元に戻りここに得た輪郭を敷衍するかたちで あらためて ぼくたちの《時間》をたどっていくべきだと考える。 たとえば 日本におけるこのような現代の《時間》…

#7

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― もくじ→2006-07-07 - caguirofie060707 ε 前章の最後で ぼくたちは依然 同じ問題点のもとにあると言った。このとき 問題点というのは もちろん まず初めの認識においての いわゆる階級対立の意識であったし そしてより精…

#6

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― もくじ→2006-07-07 - caguirofie060707 δ‐2 次にふたたび 大岡のあとを継いで 新しい文章をここに登場させ それについて触れこの章は終わることにしたい。 それは 大岡が 情感の中から感性において一つの立脚点を見出し…

#5

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― もくじ→2006-07-07 - caguirofie060707 δ ‐1 次に ここでふたたび大岡のばあいに戻ってみよう。かれが 四つの意識もしくは 幻想領域をも容れたさまざまな側面をもった《自己》が それぞれ収斂して現在する情感に就いて …

#4

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― もくじ→2006-07-07 - caguirofie060707 γ ‐2 ここで 《文学》を第一ないし第三の意識の領域であるとすれば ヴァレリは この領域と対峙して 私的で個別的な感性の世界にあるか もしくは 個別的には私的な感情を伴なわな…

#3

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― もくじ→2006-07-07 - caguirofie060707 γ ‐1 ここで新たなかたちで――別の視点から――ぼくたちの課題を言いかえるなら それは端的に言って 社会における階級対立という意識にどう取り組むかということ あるいは逆に言って…

#2

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― もくじ→2006-07-07 - caguirofie060707 β 最初に明らかにしておきたいことは このような《時間》についての やはり西欧人とぼくたちとの方向ないし色彩のちがいに関してである。 いまその輪郭を 先にあげたヴァレリと大…

#1

――ポール・ヴァレリの方法への序説―― もくじ→2006-07-07 - caguirofie060707 α 穏やかな屋根に 鳩が幾羽か 遊ぶ 真昼 樹々の間の 墓石の間の かげろうの海が また 寄せては返す この ひととき 古えの 神々の沈黙に じっと 耳を傾けてきたのだ Ce toit tranqu…