caguirofie

哲学いろいろ

市民社会学原論

#35

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 闋 空蝉の社会的解放――市民社会学の課題―― マルクスが共産主義と粗野な共産主義とを対置して 後者を批判したとき その後者が 《出世間を先取りした空蝉形式(そういう…

#34

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 闋 空蝉の社会的解放――市民社会学の課題―― 紫の上類型が 市民社会学の基調をなす主題であるとすれば 空蝉論は――すでに触れたように―― 市民社会学の第一の課題である。…

#33

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章四 《光源氏‐紫の上》なる対関係――家族:《観念の資本》の核(かまど)―― 次に ただ 文学の次元を 同じく芸術として扱うのであるが それを 仮構・物語の中に描くの…

#32

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章四 《光源氏‐紫の上》なる対関係――家族:《観念の資本》の核(かまど)―― 紫の上 式部卿宮の娘 藤壺の姪。 幼時に実母(按察大納言の娘)と死別 祖母(北山の尼君)…

#31

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章三補 《光源氏‐明石の君》なる対関係――観念の資本の《世間(差別)》形態―― 最愛の人・藤壺との対関係を その密教圏の静かなしかし確かな流れを ともに 新たな段階…

#30

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章三補 《光源氏‐明石の君》なる対関係――観念の資本の《世間(差別)》形態―― 供の良清と源氏との会話を次に引こう。―― ――近き所には 播磨の明石の浦こそ なほ 殊に侍…

#29

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章三補 《光源氏‐明石の君》なる対関係――観念の資本の《世間(差別)》形態―― 世の中 〔源氏には〕いと煩はしく はしたなきことのみまされば 《せめて 知らず顔に 〔…

#28

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章三 《光源氏‐藤壺》なる対関係――《観念の資本》の動態的過程―― 十二月(しはす)十余日ばかり 〔藤壺=〕中宮の御八講(みはこう)なり。いみじう尊し。・・・はじ…

#27

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章三 《光源氏‐藤壺》なる対関係――《観念の資本》の動態的過程―― (補注から入る。) 王権・彼岸性・出世間・社会科学主体に関して 何故 《罪》という概念を持ち出し…

#26

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章三 《光源氏‐藤壺》なる対関係――《観念の資本》の動態的過程―― 公的二項の対立関係を見ると言っても ここでは そのいづれも 桐壺帝という一項からそれぞれ同じく発…

#25

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章三 《光源氏‐藤壺》なる対関係――《観念の資本》の動態的過程―― 物語の筋を一つづつ追っていくことには ここでの本意がないが しかし 特殊性の自立的な発展を跡づけ…

#24

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章三 《光源氏‐藤壺》なる対関係 ――観念の資本の動態的過程―― 光源氏の藤壺に対する関係は 次のように始まる。 源氏の君は 〔帝の〕御あたり去り給はぬを まして 〔帝…

#23

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708) 章三 《光源氏‐藤壺》なる対関係 ――《観念の資本》の動態的過程―― これまでに 次のような事が明らかになった。 (1)市民社会学は 対関係としての特殊性の自立的発…

#22

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章二補 《観念の資本》小論Ⅱ ――夕顔の系譜としての浮舟論―― これに対して 共同主観の優位な社会では どのように考えるか その点から入って次に継ごう。 いま 対関係に…

#21

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章二補 《観念の資本》小論Ⅱ ――夕顔の系譜としての浮舟論―― このように考えるとき――ここで物語のほうに 移りたいと思うが―― 対関係の過程の中で 神(または 仏)を見…

#20

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章二補 《観念の資本》小論〓 ――夕顔の系譜としての浮舟論―― (一夫一婦方式をめぐり 江藤淳:作家は行動する (講談社文芸文庫)および漱石:明暗 (岩波文庫)にかんす…

#19

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章二補 《観念の資本》小論〓 ――夕顔の系譜としての浮舟論―― 例によって ただちに次章に移る前に 小論を設けて 補足したいと思う。 ところで 戦後の日本において われ…

#18

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章二 《光源氏‐夕顔》対関係―― 一夫一婦という対関係理念―― 煩をいとわないならば われわれは 任意に 市民社会学者としてのマルクスあるいはエンゲルスを引き合いに出…

#17

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章二 《光源氏‐夕顔》対関係―― 一夫一婦なる対関係理念―― 夕顔論は 言わずもがなの領域に入る。 頭の中将が 帚木巻のあからさまな女性談議において ――なにがしは 痴れ…

#16

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章二 《光源氏‐夕顔》対関係―― 一夫一婦なる対関係理念―― すなわち われわれは 以上の前提をもつならば 同じその前提に立って まずこの《夕顔‐光源氏》対関係を 弾劾…

#15

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章二 《光源氏‐夕顔》の対関係―― 一夫一婦という対関係理念―― 夕顔なる女性は しかし とらえどころのないひとりの存在である。 対関係の唯一形式――それを望む存在とし…

#14

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章一補 《観念の資本》小論〓 ――空蝉論つづき―― われわれは すでに 《オホクニヌシ‐スセリヒメ》類型を止揚した。つまり もはや現実に確立したのである。そう考えて …

#13

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章一補 《観念の資本》小論Ⅰ――空蝉論つづき―― 空蝉と源氏とのやり取りは こうである。観念の資本のいわば傘を差し出したり その傘の中にわざと入ったりして 会話がつ…

#12

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章一補 《観念の資本》小論Ⅰ――空蝉論つづき―― 空蝉なる女性を いかに理解すべきであるか。また どこからは理解する必要はないか。あるいはわれわれの仮説にもとづくな…

#11

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章一 《光源氏‐空蝉》なる対関係――ナルキッサ空蝉批判―― さらに これらのことは 同じような意味あいになるが 次のようにも解される。われわれは 市民社会学の始点を …

#10

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章一 《光源氏‐空蝉》なる対関係――ナルキッサ空蝉批判―― ・・・《身分の差異は すなわち 対関係の不成立》という一観念が 提示され 確認を求められる。一般に このこ…

#9

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章一 《光源氏‐空蝉》なる対関係――ナルキッサ空蝉批判―― いま 物語の世界から 目を 市民社会学じたいの領域へ 転じてみよう。空蝉への理解に入る前に そのナルキッサ…

#8

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 章一 《光源氏‐空蝉》なる対関係――ナルキッサ空蝉批判―― かようの くだくだしきことは 〔源氏が〕あながちに かくろへ忍び給ひしもいとほしくて みな漏らしとどめたる…

#7

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→→2006-07-08 - caguirofie060708 序・補 対関係の光源氏類型(蛇足) 長い序の蛇足です。あらためて 序の内容を整理します。 《オホクニヌシ〔王または市長〕‐スセリ姫》の対関係像は ある意味で――想…

#6

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について―― もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708 序・補 対関係としての光源氏類型 (6) ――市民社会学の基軸概念として―― 《歌をうたう》という表現・行為の一形式は 古事記全体のあの最初のうたにも認められるよう…