詩
マエストロたすてん先生! 《ルルとミミ》よりも こちらに音をつけてください。 母レトからの姉アルテミスとそしてアポロンの誕生またアポロンが異国ギリシャの地でみづからを確立するところまでです。 小品としてよさそうに思うのですが。 Leto, Apollo & A…
前後の見境もなくこれでもかこれでもかと踏んだ韻。 Achille enivré On erre sur mer vers une mère D'une terre septentrionale; On s'inquiète en quête de Sète, Une villette méridionale Dont un poète de Zénon traite: Comme Achille on flotte à bor…
au "Cimetière marin" Aquificot HIVINAUX On erre sur mer vers une mère D'une terre septentrionale; On s'inquiète en quête de Sète, Une villette méridionale Dont un poète de Zénon traite: Comme Achille on flotte à bord Entre à butte son Cime…
(若い詩がつづきます)。 森のかなたに舟が乗り上げ 枯渇したおおかみが 孤影の塵を巻き上げて 赤く焼けた稜線が 千年王国を迎えるがごとく 両手を打ち拡げて ぼくはゆえもなく衣裳が剥げて ビル街の丘に立ち昇り ちちを祭っていた 昼下がりからの遠吠えが…
紫の毛虫の朝のつゆ知らず鬼百合を喰うわがるりたては 照源寺の 裏山の端の 草深き 林の中の 木漏れ陽の 明るい墓地は 少年の日 蝉網かつぎ 幾段も 石段登り 松の木の 回廊巡り 松の木の 黒き鱗に 目を凝らし あぶらわしわし 鳴く中を 息を凝らして たどり着…
階段をのぼると階段がある 階段をおりると階段である山なみが 遠く 手の届かないところにある階段の信仰を捨てたのだから 街路樹は平坦である同じ朝陽がのぼって よどみない運河であるみちがのぼる ケーブルカーを喰ったのだからゆく足が目舞いして たどりつ…
水平線を染める 赤い朝 静やかに のぼるやしろは 鮮やかな 銀緑 紫の塔をころがして 想うにあらず 想わざるにあらず 青い空を映して 波間の 島と島とのあいだの 磁場に 動く 島が動く 一瞬を見たのだろうか 塔を漕ぐ やからの海に きょう 赤い赤い朝がのぼる
みることとてらすこととの ゆめをほどいて ほりをとびこえた 現実がうごかなかったから 無縫のゆめをほどいていた 秩序がゆめをゆめみていたから ねむった ねむった ねむりをねむり しゃぼんだまが やねまで やねまで やねまでとんで 向こう側で連帯のきっす…
はじめに卵黄があった そして 傷まざる朝があった 名づけ得ぬ天穹に向けて 投げつづけた 朝の 果実が きょうだった 少年は笑ってみせた 聴衆に向かってではなく 観衆が拍手の安心を返した 卵白が揺れたろうが 唇がやや固いと思ったが 満足のゆく微笑みだった…
それは化粧室であるかも知れない 楽屋でもあり 舞台でもあり 明日は 桟敷に飛ぶかも知れない 木陰であったかも その寺の境内でも 坂道の途中でも この鉄道のプラットフォームの 脇でもあったかも ひとりの男が走りつづけていた ぼくが 走りつづけていた 幼な…
ものが見えるとき 問わないひとも ものが見えすぎるとき 落ち着かなく 黙るために 無意味を発し始める 紙くずに窒息すると 踊りあがって凝視する 頭の中で拒んでいても 画家気取りのスケッチを語る ばかみたいに 〈わたし〉 ぼくはこの〈わたし〉をしゃべり…
私の頬を打つ一筋の偽りの涙よ 私は今起とうとしている だから 打たないでくれ そっと微笑みの中に流れてくれ だから 私の頬を打つ偽りの呪いよ こめかみを伝って私を促す呪いの鼓動よ 私は今発とうとしている だから呪わないでくれ だからそっと気取らず お…
かのじょは何を食べているのだろう ぼくの悲しみ それとも 嘲り 第五の次元というのもまやかしだ かのじょも水面に姿を映すからには この時空間を呼吸している 愛も晦渋だ しかし ぼくたちの この手が質量へと変えている それは あるいは この家 この空が ぼ…
海から湧き出たかれは いったい何を食べているのか きみの悲しみ それとも ぼくの不安 第五の次元というのも まやかしだ かれも 同時に きょうの水脈に姿を映すからには 第六の 七・八の識などという 愛も晦渋だ ぼくたちの手が 流れの中から その回遊魚を拾…
砲火による死を悼むを拒む( D. Thomas ) ロンドンのひとりの子どもの砲火による死を悼むを拒む 決して・・・ 人類を造り出し花鳥そして 獣を産み すべてを貶めるあの闇が 沈黙を守りながら 光明が突き破り出ようという最後の 静寂の時が 常なる流れの中に…
目の鮮やかなサルタンバンコ 三角帽子のサルタンバンコ トビリシはどうだった? 次はトラブゾンかい? サルタンバンコの口紅が舞って サルタンバンコの微笑みが揺れる 馬車の家のサルタンバンコ 車輪が軋むよ サルタンバンコ 弟が泣いているよ サルタンバン…
塔を去って出会った街に 親鸞の傘を忘れ 雨に打たれ 死す 銀杏並木の 街よ 驕るなかれ 塔を漕ぐ種族よ 贖罪と再生のときだ ぎんなんの雨をささげて 祭儀だ 夢をすすめて ばす通りをよぎり ちかてつを航くのだ らせんを進む染色体列 踊れ 連環よ
夢ならば醒める 雨ならば落ちる 雲ならば流れる 無常がコマーシャル・フィルムならば 木魚の音に混じって 新たなる夢に落ちよ 落ちて流れよ 傷まざる河を 読経の雨が白み始め つばめたちが降りてゆく 石段をはずさず 照源寺の墓地を駆け抜ける 馬のひとみを…
ちちがよこす まなざしをひるがえして 乱反射が収斂する ははが明日――昨日?――へ移動して 分光の雲が湧く 白く灼けた 気流がのぼった 《ともよ 《空を仰ぐ〈わたし〉を仰げ 水は言葉 土は言葉 風は言葉 世紀末の冬眠に あたらしい歳の恍惚が吹いて まなざし…
かれ自身 求めていた 無門の門を さまよえる湖が 漿液を浸して 楼蘭の祈りを 朝露に映す 陽が至点に向かう 回鶻(ウィグル)のかなた はるかな灼熱のみちを 海市が逃げる 帚木が枯れる おお シャカムニ セソンが枯れる かれは みらあじゅの消えたとき みらあ…
優しき律動(裸の電車が・・・) ひと言も理解 できないはずなのに 鍵盤がピアニストをたたき出すように 陰影が点描画を奏でている のではないだろうか 明日も同じだろうか ひと山の風が吹いて 旋律が揺れる 小さな波にそっと触れる 慰めは遠心力に吹き飛ば…
よろしい きみの言葉を信用しよう その個性を注目したわけではない きみという身元のわからないひと 少し前から ずっと前からそこにいた いま見つけたのだ 言葉たちが 広大の内なる海を語っているからではなく かすかなさざ波に託して かのじょたちが 外なる…
最もわたくしなるもの が語るもの ふたたび レアリテをくどくもの 書物を生きるのも わたくしが 書信をささやくのも おおいなる 物語りよいかれ おおやけなる 組み込まれる 和歌よ しかも匂え 歪みを彩る 最もわたくしなる 華のにほひの
natural ( neutral ) マシュマロの花 ビルまで切りそうな 鋭い鉄色の三日月が 凍えそうに震えながら 藍の深い空を泳ぐ晩 君は洞窟の奥に眠る 鍾乳石のように わずかな物音も立てず 少しの雫をしたたらせ 僕の世界の隅っこを それはひそかに漂った 花粉ほどの…
Чернобровый, черноокий, Молодец удалой, Полонил он моё сердце – Не могу забыти.Как понять такую радость, Что мил меня любит? Побегу ему навстречу, Крепко обниму я.Обойму я молодого, Парня удалого. Объясню свою любовь я – Авось умилится.Не …
Les Litanies de Satan サタンへの連祷Ô toi, le plus savant et le plus beau des Anges, Dieu trahi par le sort et privé de louanges, 天使たちの中でも最も賢く、最も美しき者よ、 運命に裏切られ、賛辞を奪われた神よ、 Ô Satan, prends pitié de ma l…
I Race d'Abel, dors, bois et mange; Dieu te sourit complaisamment. アベルの子孫よ、眠り、飲み、食べよ、 神はお前に好意を持って微笑んでいる。 Race de Caïn, dans la fange Rampe et meurs misérablement. カインの子孫よ、泥の中で もがき、惨めに…
聖ペテロの否認Qu'est-ce que Dieu fait donc de ce flot d'anathèmes Qui monte tous les jours vers ses chers Séraphins ? Comme un tyran gorgé de viande et de vins, Il s'endort au doux bruit de nos affreux blasphèmes. いったい神は、親愛な熾天…
Charles Baudelaire Dans une terre grasse et plein d'escargots Je veux creuser moi-même un fosse profonde, Où je puisse à loisir étaler mes vieux os Et dormir dans l'oubli comme un requin dans l'onde. Je hais les testaments et je hais les t…
霜の降りた月面の中から かのじょの薄氷りが立体派を成して 天体への飛翔に傷ついた雲間から 凍土が油彩画を破って 圧し掛かる砂嵐の下から 葉脈を伸ばして 黄道が公転して 鋭角の傾きが 夕凪を引きずる主体の回転を 海流を揺さぶって 少女の偏西風が 春の雨…