caguirofie

哲学いろいろ

遥か夢の彼方から

#25

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §38 場違いの断章 このゆえに 世あるいは世の部分を支配するあの権能(抽象普遍のアマテラス語になる理論――引用者(以下 記号の*で示す))によって神を問い求める人びとは神から引き離され遠…

#24

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §37 存在(本質)について――哲学ふうに―― それで先ず 或る知られ得べきもの( aliquid scibile ) 言い換えると 知られ得るもの( quid sciri possit )が知られないで存在し得ること しかし知…

#23

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §36 悪魔論の補足 善とか悪とかいうことが出てきたので これは――哲学的に議論するつもりはないのであるが―― しばしばややこしい問題をはらむのだし 上のように簡単に片付けてしまっておくわけ…

#22

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §35 河合隼雄論ノート補遺 かんたんに河合の悪魔論について すこし専門的な論議をつけ加えておきたい。 それは通俗的には 人間という存在が本質的に言って 善であるか悪であるかというテーマに…

#21

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 付論 悪霊のもんだい §34 河合隼雄《昔話と日本人の心 (岩波現代文庫―学術)》への書評 1 あらまし 昔話と日本人の心 (岩波現代文庫―学術)作者: 河合隼雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 200…

#20

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §33 繻子で織られた倫理の想像なるわたしが焼き尽くされて わたしは このように批判する知識をいったいどこから得て来たのかと問われたことに対して それは 遠藤周作さんや その他 批判の対象…

#19

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §32 伝道者たち 前史(一般的な歴史の始まり)が 原史(縄文前期のパライソ)と つながったというのは 前史において 本史(復活)によって その後史が見通されたことに原因する。この本史によ…

#18

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §31 《白い人・黄色い人 (講談社文芸文庫)》 抽象的に人間はというのではなく ふたたび 日本人なら日本人というテーマで論じることが必要です。 遠藤周作は これを初期の作品で 《白い人・黄色…

#17

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §30 いささかいら立ちつつ 《徹底して深く愛せよ》という曽野さん自身のことばにみちびかれるなら――つまりわたしが かのじょのようになるとしたなら つまりわたしたちはこの実践をしないではい…

#16

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §29 信仰の話は強制か 前章の議論をもう少し継ぎましょう。 曽野さんは 同じ著書の中で 次の聖書の一節をかかげ 文章を書いています。 わたしは すべての人に対して自由であるが できるだけ多…

#15

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 補論 曽野綾子論を交えて §27 あくまでも復活の問題 わたしたちは 前章で いささか政治的な発言をしてまいりました。社会的な問題に触れないと言いつつ。また 文学を政治の問題にすり変えてい…

#14

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §25 カトリック作家の説く愛 第四話を――第三話の不備を意識しつつ――つづけます。 長い引用から始めます。 《自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ》(ローマ人への手紙 (新聖書講解シリー…

#13

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §24 敬語という想像世界をとおして 付録の第三話は 文体というテーマです。文体として ことばによる表現の問題。 寄親である石田さまからお呼び出しがあった。話したきことがあるゆえ布沢まで…

#12

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 付録 史観の断片 §22 《想像をとおして》と《想像において》と 付録の第一話。 第一話として 総合的に論じておこうとおもう。テーマは 《想像をとおして》と《想像において》とは どう違うかで…

#11

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §20 《転ぶ・転ばぬ》に関係なく わたしたちは それでも 《沈黙》の議論は ここに至っても つづくと思うのです。たとえば次のような一節を聞くとき。 ・・・フェレイラはこの日本は底のない沼…

#10

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §18 《日本と申す泥沼》(?) ――パードレ(ロドリゴ)は決して余(イノウエ筑後守)に負けたのではない――筑後守は手あぶりの灰をじっと見つめながら――この日本と申す泥沼に敗れたのだ。 と作…

#9

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 《沈黙 (新潮文庫)》および《侍》論ノート §16 《沈黙》に非ず わたしはここで 二つの小説作品つまり《沈黙 (新潮文庫)》および《侍》を中心にして論じることにします。 そしてわたしたちは 日…

#8

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 《悪霊の午後》論ノート §14 悪霊の午後 《あなたの知らない / もう一人のあなたを / ――そっと / 教えてさしあげます // 長編サスペンス》(単行本の表紙の帯に記載)と銘打った長編小説: 悪…

#7

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §12 《私のイエス―日本人のための聖書入門 (ノン・ポシェット)》 善意の人びとも 牧さんやあるいはこのわたしを《倨傲な性格》のひとであると言うかも知れない。 そこで――そのことを もっとも …

#6

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §10 森田ミツは永遠の同伴者か ところが――と 前章の議論を引き継ぎますが / ということは ここで遠藤の作品をとおして見られたカトリック作家の問題の問題 つまり遠藤さん本人のいわば言わなけ…

#5

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §8 《わたしが棄てた女 (講談社文庫)》 わたしは 自分に与えられた神の恵みによって 熟練した建築家のように土台を据えました。そして 他の人がその上に家を建てています。ただ おのおの どのよ…

#4

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §6 永遠・ランボー・マラキ書 カトリック作家は決して聖人や詩人ではない。聖人や詩人の目的は ひたすらに神をながめ頌め歌うことにある。けれども カトリック作家は 作家である以上何よりも人…

#3

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §4 《月光のドミナ (新潮文庫 え 1-4)》 若い女だった。白人の女だった。のみならずその人は一糸もまとってはいなかった。顔をふって額を覆った栗色の髪を払うと 長い脚で砕ける波をふみしめな…

#2

――遠藤周作論ノート―― もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103 §3 《おバカさん (角川文庫)》 おバカさん (角川文庫)作者: 遠藤周作出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 1962/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (17件) を見る この…

#1

――遠藤周作論ノート―― もくじ 《カトリック作家の問題》*1の問題 §1 はじめに:本日 §2 はじめにの補論:本日 §3 《おバカさん (中公文庫)》:2005-11-04 - caguirofie051104 §4 《月光のドミナ (新潮文庫 え 1-4)》:2005-11-05 - caguirofie051105 §5…