caguirofie

哲学いろいろ

小説・夏安居

第一章・下

* * * ヴィシュヌは やはり温和な表情を秘めているが 目鼻立ちは実際には 風雨にさらされて かすかにしか残っていなかった。おれは――《その朝》のことである―― ソパーラの街並みを背にして ひざまづいていた。あたりの野原には ほとんど人影もなく 静かであ…

#6

もくじ→[小説]夏安居#1(第一章・上) - caguirofie041017 ([小説]夏安居#5(第二章・中2) - caguirofie041026よりの続きです。) (港町Hormuz) ヴァサンタセーナは 船の入港のうわさを聞いて 戸口に出て待っていた。数年前も このときと同じように …

第二章・中2

もくじ→[小説]夏安居#1(第一章・上) - caguirofie041017 ([小説]夏安居#4(第二章・中1) - caguirofie041025よりの続きです。) * Hormuz 港町ホルムズ。 広く長いアラビアの海が消えて 陸地が見えると 船は 東の海峡を抜けて ペルシャ湾に入る。こ…

(第二章・中1)

もくじ→[小説]夏安居#1(第一章・上) - caguirofie041017 ([小説]夏安居#3(第二章・上) - caguirofie041022よりの続きです。) 船の中には バラモンからシュードラまであらゆる階級の人間が いた。〔と以下すべて ナラシンハの語ったことがらである。…

もくじ→[小説]夏安居#1(第一章・上) - caguirofie041017 ([小説]夏安居#2(第一章・下) - caguirofie041021からの続きです。) 第二章 ナラシンハ the Erythrean Sea旅立ちが帰還だったのだ 〔と ナラシンハは その航海の日々を語っていった。〕

−第一章・下

([小説]夏安居#1(第一章・上) - caguirofie041017〔=目次あり〕からの続きです。) * * * ヴィシュヌは やはり温和な表情を秘めているが 目鼻立ちは実際には 風雨にさらされて かすかにしか残っていなかった。おれは――《その朝》のことである―― ソ…

もくじ 第一章 気ちがい沙門 ( Sopara ) 本日 [小説]夏安居#2(第一章・下) - caguirofie041021 第二章 ナラシンハ ( the Erythrean Sea ) [小説]夏安居#3(第二章・上) - caguirofie041022 [小説]夏安居#4(第二章・中1) - caguirofie041025 ( Hormuz…