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哲学いろいろ

小説

Agatha Christie's Marple

List of Agatha Christie's Marple episodes http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Agatha_Christie%27s_Marple_episodes Series 1 (2004-05) 1 "The Body In The Library" 2 "The Murder At The Vicarage" 3★ "4.50 From Paddington" 4 "A Murder Is Annou…

夏安居(第二章・下 完)

(港町ホルムズ) ヴァサンタセーナは 船の入港のうわさを聞いて 戸口に出て待っていた。数年前も このときと同じように ある夕刻 他の同じ女たちとともに 戸口に立っていた。その時 おれは 即座にかのじょを選んでいた。何にも増して 目が輝いており。深い彫…

夏安居 第二章・中2

Hormuz 港町ホルムズ。 広く長いアラビアの海が消えて 陸地が見えると 船は 東の海峡を抜けて ペルシャ湾に入る。この湾の入り口に位置する大きな港町が ホルムズである。 夏は 暑く 太陽の照り返しが特に激しく そして とてもまともに受けることのできない…

夏安居(第二章・上)

主なところとひと Sopara(≒Mumbay) the Erythrean Sea Hormuz おれ(ドゥフシャンタ) ナラシンハ(おれ) ヴァサンタセーナ 《その人》 《或る人》 船の中には バラモンからシュードラまであらゆる階級の人間が いた。〔と以下すべて ナラシンハの語った…

夏安居(第二章)

第二章 ナラシンハ the Erythrean Sea 旅立ちが帰還だったのだ 〔と ナラシンハは その航海の日々を語っていった。〕 〔かれの〕母牛が 病う床で 目を閉じたとき 老いた牡牛の 沈黙のまなざしを振り切り 雲雨の空をながめやって 叫んだ海へ すべり落ちてきた…

第一章・下

* * * ヴィシュヌは やはり温和な表情を秘めているが 目鼻立ちは実際には 風雨にさらされて かすかにしか残っていなかった。おれは――《その朝》のことである―― ソパーラの街並みを背にして ひざまづいていた。あたりの野原には ほとんど人影もなく 静かであ…

小説・夏安居

第一章 気ちがい沙門 Sopara その朝 おれは 呪術師(バラモン)が――かれらをおれは 信用している というわけではなかったが――ちょうど呪術師が 呪文を唱えて――かれは しきりに口を動かして何やら言いつづけているのだが 音声はまったく途絶えたそのまま――呪…

少年ティウドゥリークス

――ボエティウスの時代―― 〔出だしだけです〕。 lac Balaton 幼年 unその日は 夜がなかなか降りて来なかった。 まず 夕凪ぎが居すわっていた。 西の方 チロルのやまなみには 陽は沈もうとしていたが 目のまえのバラトンのみずうみは いつになく 映えつづけて…

サド

サド:『ジュスチーヌまたは美徳の不幸』(植田祐次訳)を途中まで読んだ中間報告です。 §1. 文学作品として駄作であること―― その叙述が 一回性という現実性に欠けること――を問います。(§2・§3)。 また クリスチアニズムの理解が間違っているというこ…

城島明彦:恐怖がたり42夜―携帯サイトの怖い話 (扶桑社文庫) 

もくじ→2004-12-29 - caguirofie041229 ゾクゾクッ ゾクゾクッ うぅーんと考えたりする。 恐怖がたり42夜―携帯サイトの怖い話 (扶桑社文庫)作者: 城島明彦出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2007/07メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る HP…

《チャンドラーと村上春樹、書くこと》・・・

と題して id:umedamochio 070408 が 「ロング・グッドバイ」(早川書房)に、村上春樹が長大な「訳者あとがき」を書いている。その中でチャンドラーの手紙を引用し、書くことについてこう述べている。 という紹介を書いている。 引用された文章はここで端折る…

村上春樹文学に新解釈とのこと

《海辺のカフカ (上) (新潮文庫)》 村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する (平凡社新書)作者: 小森陽一出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2006/05/11メディア: 新書購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (42件) を見る今朝の日本経済新聞・読書欄《…

川端康成〈神います〉

掌の小説 (新潮文庫)作者: 川端康成出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1971/03/17メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 55回この商品を含むブログ (83件) を見る(引用は 新潮社《川端康成全集第六巻:掌の小説》1969 pp.127−130) 夕暮になると 山…

Cech & Kundera

Její jméno je Jarmila. ( Her name is Jarmila.) ボヘミアの 風の流れて モルダウの そよぐ畔りに スメタナの 旋律(メロディ)眺め 水晶の 山脈(やまなみ)を聞き 褐色の 珈琲(カーヴァ)の香りに チェッコ語(チェティシナ)の チェロの音(ね)美味…

M.クンデラ

存在の耐えられない軽さ作者: ミランクンデラ,Milan Kundera,千野栄一出版社/メーカー: 集英社発売日: 1993/09メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (20件) を見る 全〓部のうち 第〓部まで読んだ。まるっきり意味がわからない。 はじめ ト…

              川端康成《お信地蔵》

掌の小説 (新潮文庫)作者: 川端康成出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1971/03/17メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 55回この商品を含むブログ (83件) を見る 山の温泉宿の裏庭に大きい栗の木がある。お信地蔵はその栗の木の蔭にある。 名勝案内記によると お…

立原道造の詩のひとつ

http://ohkowa-omosiro.cocolog-nifty.com/kotyabannba/2006/05/post_e17e.htmlへの批評 (もくじ→2004-12-29 - caguirofie041229) 「幸せって何だ?!」―(6)しあわせは どこにある? 「夢みたものは……」と同じ頃つくられた立原道造の詩に「草に寝て……」が…

義経

もくじ→2004-12-29 - caguirofie041229 NHK《静よさらば》。 もはや事は決したとの様子。 いや そのことなら 壇ノ浦のあと わかったことである。なにか おかしい。けだるいとも言うような。 なにが再び三たびつづくというのか。 切ないというべきなのか。…

義経

もくじ→2004-12-29 - caguirofie041229 NHK《堀川夜討》 妻・政子の謀を容れて 頼朝は 義経の堀川の館に刺客を送った。不首尾に終わったその土佐坊晶俊を義経が斬首したら 頼朝は間髪を入れず 義経征討の軍を自ら出した。 一たん そのあと義経がどうする…

義経

もくじ→2004-12-29 - caguirofie041229 NHK《鎌倉の陰謀》 政子が頼朝に 義経の処理を自分にまかせてくれと申し出た。 これは まだ全部 頼朝のおこなう判断であり行為である。もし頼朝が自分から義経殺害のことを言い出さなかったのだとしたら それは な…

義経のこと・壇ノ浦を経て

もくじ→2004-12-29 - caguirofie041229 頼朝とは もとから合わなかったと見るべきように思われて来た。 生活のために権力闘争をしているのが もし義経であるなら 頼朝は 権力と生活のために闘争をしているかに映る。 もともと 二人は合わない。けれども――い…

城島明彦(作家)の『ちょっとあぶない雑記帳』

もくじ→2004-12-29 - caguirofie041229 関連→2005-07-29 - caguirofie050729 義経 7月31日のNHK大河ドラマでは 頼朝が 反省の弁を述べる場面があった。 また 妻・政子に言わせれば 頼朝は情の人であったとわかったという。 これは 二点その事例があっ…

城島明彦(作家)の『ちょっとあぶない雑記帳』

もくじ→2004-12-29 - caguirofie041229 :わが批評→2005-07-14 - caguirofie050714 著者自評↓ 義経(1) 『怪し不思議の物語・番外編』 『裏・義経本』(主婦の友社)という本を最近出した。 表紙は黒と赤と金。黒地に「裏・義経本」という題名がタテに赤の筆…

城島明彦:裏・義経本

もくじ→2004-12-29 - caguirofie041229 裏・義経本作者: 城島明彦出版社/メーカー: 主婦の友社発売日: 2005/07/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る 小説ではないけれど。これから読むところ。あしからず。 義経については まだ大河ドラマ…

http://ohkowa-omosiro.cocolog-nifty.com/kotyabannba/2005/02/post_3.htmlについての感想を問う。

=http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1213833 (2005/02/072005-02-07 - caguirofieの続編) この質問は 削除になりました。議論がくわわったことがいけなかったようです。

城島明彦

もくじ 城島明彦の著作一覧:2004-12-29 - caguirofie041229 http://ohkowa-omosiro.cocolog-nifty.com/kotyabannba/2005/02/post_3.html:2005-02-07 - caguirofie050207:本日 裏・義経本:2005-07-14 - caguirofie050714

城島明彦

もくじ→2004-12-29 - caguirofie041229 協奏曲(ラバーズコンチェルト) (集英社文庫)作者: 城島明彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 1989/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る マドリガル―恋歌 読んだ。感想→2004-12-29 - caguirofie041229 城…

城島明彦

もくじ 作品一覧:本日 城島明彦(作家)の『ちょっとあぶない雑記帳』=掌編小説のサイト 協奏曲(ラバーズコンチェルト) (集英社文庫):2005-01-22 - caguirofie050122 首塚&アンケート:2005-02-07 - caguirofie050207 園友:2005-03-02 - caguirofie05030…

夏安居#6=完(第二章・下)

夏安居#4(第二章・中1)

タゴール詩集―ギーターンジャリ (岩波文庫)