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哲学いろいろ

城島明彦(作家)の『ちょっとあぶない雑記帳』

もくじ→2004-12-29 - caguirofie041229
関連→2005-07-29 - caguirofie050729

義経

  • 7月31日のNHK大河ドラマでは 頼朝が 反省の弁を述べる場面があった。
  • また 妻・政子に言わせれば 頼朝は情の人であったとわかったという。
  • これは 二点その事例があって ひとつは 娘・大姫の病いのことで頼朝がうろたえる姿を見せたこと。もう一つは 頼朝は自らの政治判断に口出し無用と政子に言い渡したのだが それほど(批判を受け付けたくないと思うほど)頼朝は 実際には こころが割り切っている状態ではなかった。そうではなくて むしろ情の厚い人間であるのに理のよろいを二重にも三重にもつけているようだ。これは 今まで気づかなかったと政子はいう。
  • 政子は自分やその北条氏にとっては この頼朝がなんらかの形で自らの墓穴を掘るのを待てばよいといった覚めた判断を ここから引き出しているが 問題は 頼朝の性格 ひととなりのほうである。それを どう理解するかである。
  • わたしにとっては これで ますますわからなくなった。
  • 大河ドラマは 演出者(監督?)が 何人かいて 毎回のごとく変わっているし いま問題としているのは あくまでNHKのドラマが描き出している頼朝像にかんしてである。のだが それにしても わからない。むしろ 頼朝は非情の人であるというかたちで通したのなら すこしはわかった感覚になったかも知れぬ。
  • 情の人であったなら これまでにも 義経と 少しは 本音で話しを交わしていてもよかったと思う。政治判断について議論を交わす もしくは自身のそれを説明するといったときには 確かに 本音で語っていたと思う。そうではなくて 何でもないことを話題として 自分自身を出して話をすることがなかったのではないかという物言いである。
  • 義経に対する冷遇でも何でも構わないが 頼朝じしんは話の出来る人間か そうでないか 出来るのなら そういう場面をつくって欲しかった。出来ないのなら それで通して とにかくすべての決断について ひととおりの説明をつけることが望まれた。つじつま合わせだけとしてでも。
  • けれども 頼朝は 今回いわばハムレットの一面を見せたのだから そうは行かなくなった。ますますわからない。
  • 頼朝は 義経との間で いわゆるコミュニケーションをはからなければ 天下を取ったという気にはならない なれないであろう。いったい 何なんだ。
  • 続考→2005-09-30 - caguirofie050930