親鸞の午後
ちちがよこす
まなざしをひるがえして
乱反射が収斂する
ははが明日――昨日?――へ移動して
分光の雲が湧く
白く灼けた
気流がのぼった
《ともよ
《空を仰ぐ〈わたし〉を仰げ
水は言葉
土は言葉
風は言葉
世紀末の冬眠に
あたらしい歳の恍惚が吹いて
まなざしが交流して
商うこころが利潤を獲得
〈わたし〉が〈わたし〉を生んだ
*
地が動いていた
赤い土が蠢いていた
ちちが立ち
ははが守り
閉じられた地の底から
湧いて出た ぼくたち
〈わたし〉がぼくを呼ぶ
禿頭の〈わたし〉が誘う
おお カルヴィニスム
ぼくの
四畳半の文明のなかへ
よろいを着た〈明日〉が飛び込んだ
神を殺して 神を説く
詩
水は櫂
土は車輪
風は翼
つるっぱげの関門のあたりに
世紀末の神々がふすまを叩いて
おおみそかの恍惚を踊る
ぼくを
故もなく押し出した
故もなく
ぼくは押し出された
Q&Aのもくじ:2011-03-26 - caguirofie