caguirofie

哲学いろいろ

2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

偶像

ドン・フアンが愛することを愛したように ヴァレリが意識することを意識したように 希臘が知ることを知らせ 羅馬が崩壊することを崩壊させたように 中世が詠むことを詠み 祭祀がまつることをまつり 幼年が喰うことを喰い 壮年が遊ぶことを遊び 印度が崇拝する…

こんばんわ。celicaです。 お久しぶりでございます。 こんばんは。気がつきませんでしだ。それにこの caguirofie では コメントにかんしてブロックはいっさいおこなっておりません。(そんなにコメントをいただくこともなかったのです)。 そう言えば ほかに…

地中海の晩鐘・年表

年表 ○ シチリアに原住民の文化(石器・青銅器・鉄器時代) ――三種族(シセル・シカーニ・エリミア) ○フェニキアの地中海活動盛ん ・シリー群島に到る ・カルタゴ市の建設(c.815BC) ・パノルモスに植民 ○ギリシャ人の地中海進出 ・シチリアの植民市:ナ…

地中海の晩鐘(#8)

8.四月二十八日 最後のメッシナも晩鐘に応え 六千の血の地中海に揺らめく わが緑の島は月の司祭の下に駆け込み 蹴られ アラゴンに頼み トラパーニに艦隊を迎えた八月三十日 ナーポリに息をつく 宿敵シャルルの陣営が ローマの月とその衛星都市(ゲルフ)に…

地中海の晩鐘(#7)

7.アンフォラの輝く双眼は ネプチューンの静かに見守る 島の沖に深く沈み 法皇の季節が続く 晩秋―― 日蝕とともに 天体のヒエラルシーは固められ 月の司祭の塗油を受ける 恒星は 引力の関係を見事に保ち 群がる惑星を従えて 銀河の秋を飾り立てる 王シャル…

地中海の晩鐘(#6)

6.秋深く 西風(ゼフィルス)の吹く新興のエウロペの地の 太陽と月との闘争の どろどろとした渦中に浮かぶ わが緑の島―― 一二二八年 ロジェ二世の甥 コンスタンスの子は 延ばしに延ばした 十字軍(クロワザード)に発つ――第五回 聖地の王国の最後の王女を…

地中海の晩鐘(#5)

5.すでに 伝説の王シャルルマーニュの後を襲う 聖なるローマ皇帝の誕生を見て 法皇の季節―― 王女エウロペの抱く二人の孫たち 月の教会の子女たち 兄弟らは 月の聖墓をめざして 十字の章を送り 緑の島は ヴィキングを遣り イリアスを見守る 群小のアキレウ…

地中海の晩鐘(#4)

4.初秋―― フランクの王シャルルに 法の王が戴冠を迫り 十字架が新しいカエサルを創り ゲルマンの民にさらに嫁し ヘブライの月の前に跪いた フェニキアの王女《エウローパ》の 新しい血の 緑の海の帝国の噂が 風とともに届くころ 島は わが島は 永遠の都を…

地中海の晩鐘(#3)

3琥珀の道のかなたから 馬にまたがる 北方の大きな身体に鋭い眼の 黄赤色の頭髪の 大胆(フランク)で長い髯(ランゴバルド)の 神々を祀る民らの降りてくる 九月 赤いエトナを取り囲む 明晰のシラクーサと 自由のパノルモスと 豊かな島を取り巻く 尊厳者(…

地中海の晩鐘(#2)

2クレオパトラの嫁した新しい太陽から ユピテルの雷鳴がどよめき轟くとき 象にまたがる英雄はすでに喪く 東のシチリアは 緑のシチリアは あの元老(セナトール)の演説を父から子へと伝え聞き 美女シチリアは いま《彼らの海》に孤り浮かぶ 初夏―― そしてユ…

地中海の晩鐘(#1)

1ヘファイストスの混沌に漿液が鋳られて 母なる海が胎児を浮かべ 褐色の大陸を押し開けて 青い輝きを発すれば 白い島々に 錨が降ろされ 斑鳩(いかる)の群れが 帰ってくる ブリアレオスの葦が母をさまよい 潮流の深みに光る糸を垂れれば 静穏の鐘は明晰を…

地中海の晩鐘(#0)

・・・地中海文化がひとつの現実であったときは ヨーロッパもアフリカも存在してはいなかった。 (ホセ・オルテガ) 赤いエトナが海に落ちる 緑が山に踊り出し 雨が至点を通る頃 オリュムポスの黄昏に 太陽の群れが傾いて 二つの月がくっきりと現われる頃 赤…

地殻の回転・別作

夜のとばりは 僕の日の出 星の降るのは 僕の目覚め 月の光は 僕の食餌 僕の世界は 明白な夜 僕の世界は 明晰な夜 朝陽が昇れば 僕は眼を閉じ 動物園が起きれば 僕は就寝 獅子・虎鳴けば 僕のララバイ 僕の世界は 明白な夜 僕の世界は 明晰な夜 父母鳴けば 僕…

地殻の回転

地殻の回転――胎動のころ―― 1 静寂の中に人は眠り 喧噪の夢に人は苦しみ 暗闇の中に人は眠り 白日の夢に人は苦しむ 陽の目覚め 陽の還り 月のひかり 2 夜の目覚め 朝の死 昼の夢 そして夕の食餌 3 夜の明白に醒める志 昼の光明に夢見る志 ぼくは目覚めて眠…

胎動のころ

胎動のころ plutonien, plutonique ぼくは自分が陰画のままで生きて行かないはづはないと信じているのだろうか。それともぼくは頑迷に自分自身の焼付けを拒否し続けているのだろうか。 それはむしろぼくが自分の絞りを極度に開け放してしまっているからかも…

Vampirisme

Vampirisme――胎動のころ―― 彼の襞 彼のひだに触れる者は皆枯れる 彼は人の血を吸って襞を肥やす 彼の表皮には血腥いひだが二重三重に重なる やがてそれは加速度をつけ自ら増殖する やわらかいが幾重にも重なったひだ その深層の襞はやがてもはや外から中へ …

シャンソン・ド・ボードロワ

Chanson d'une baudroie――胎動のころ―― 私は深海に沈潜する 外はもはや眼中に置かず 光はもう見るまい 彷徨 あの日 μ光線を浴び すでにあの日 世界は閉ざされたのだ 闇が深く広がった 絶望の虚妄たること 希望の虚妄たるに等しい

樹々はみどりか

樹々はみどりか――胎動のころ―― 1. 史朗(アハスウェルス)は旅立つ 朝もやの中 誰も見送らず 孤り歩く 待つ者もなく とぼとぼと あてのない旅 2. たたなずむ山々白く かすみ立ち 三郷(みさと)の村の朝の訪れ わが宿の燕舞い交う軒下に 目を射るほどの…

空の空なる・・・

vanitas vanitatum, et omnia vanitas――胎動のころ―― アンニュイ を感じている いま 外は雨 梅雨明けだというのに 先日からしつこく 降っている きょうは土曜日 きょうで今週もおわる l'ennui, c'est un ennnemi ou bien un ami ? 沈 滞 倦 怠 無 感 動 何も…

調べ

métrique, rythmique et syllabique 長短の 古えの波 男女の波 希臘の栄華 羅馬の荘厳 北方の 山谷越え征き 大移動 海賊の民は モールス信号 明晰の 羅典の後裔 トントンと 六つ六つと 拍子取りつつ 秋津島 大和の民は 裏表 七五 三四と 波打ち寄せる

Château Noir-et-Blanc

I woke up one afternoon to find myself somewhere within a certain cemetery on a certain hillside. It was such a sunny afternoon time that I found myself even veiled wth bright and warm sunlight in a rather wide recess on the hillside the m…

風薫る夜( la nuit balsamique )

床に就いて一日の疲れを休めるようにぐったりと横たわると 開け放した窓から夏の夜の乾いた風に乗って線香の匂いがぷんと一閃した。ふとその一瞬の光明の中に(線香の匂いが 光明だったのだ) 或る通夜の晩が彷彿とよみがえって見えた。 六・七人の弔いの人…

青春

わが内なる思いと わが口より出づる言葉と わが顔よりあふるる表情と いづれが真実か

A la musique

A la musique――鼓舞―― 冴え渡る調べ妙なる天の音の 情景の彷彿と舞う階調の イマジナシオンはエロスの深きに 紫の煙漂う空の園 調べ舞うやさしき森の陽の都 哀しき性も翔けて悲しき 乙女らの浴びる泉の楽の郷 愛の夢澄みて過ぎゆく軽騎兵 行進曲の跡すがすが…

たゆたえど沈まず 2

馬に乗る シャルルマーニュは 船縁の シテの寺院前庭(パルヴィ)に ふさふさと 美髯をたくわえ 高々と 長槍を構え 厳かに 帝冠を戴き 中世の 騎士の華々 くつわ取る 勇者ローラン くつわ取る 賢者オリヴィエを 従えて この伽藍より 西欧(オクシダン)の 統…

たゆたえど沈まず

たゆたえど沈まず( Fluctuat nec mergitur. ) 水晶球の中のコップの中に入った私の中のパリ 花の都 パリ 朝まだき 曙の 初日のいまだ 届かぬ頃 層を成して居並ぶ 石の蔵が 処々に四角く 斑点の 灯りを仄かに 浮かべる頃 どぶねずみらの 走り去る ヴァンド…

J'aurai demain matin dix-neuf ans.

O mon angoisse, ma chère peine, D'où venez-vous, ô ma chère reine ? J'aurai demain matin dix-neuf ans. Mais, quelle est cette inquiétude Que je chérie depuis quelques temps Comme déesse, comme étude ? O mon angoisse, ma chère peine, D'où v…

新所帯 ( Jeune Ménage )

ああ部屋は濃き藍色の空に曝され 箱手箱 部屋一杯の散らかりよう 塀沿いに馬の鈴草茂り放題 幽霊の歯茎震わせギイイギギガア これはまさしく精霊の仕業 この濫費 この乱雑 阿弗利加の仙女が部屋の隅々に 桑の実もたらし鉛の網張る 数人のふくれ面した代母た…

オフェリア( Ophelie )

オフェリア A.ランボー ? 星宿す 暗き水面(みなも)に 白百合は ヴェールに包まれ 空仰ぎ 静かに流れ・・・ 森のかなた 角笛響く オフェリアは 哀しき幻 時を経 闇の河流れ 時を経 ロマンス語る 優しくも 狂おしき魂 そよ風は 乳房そよ吹き 白きヴェール 花…

心に涙の雨が降る( P. Verlaine )

心に涙の雨が降る 街にやさしく雨が降る ――アルチュール・ランボー―― ( P. Verlaine ) 心に涙の 雨を降らせ 滲みこんでくる この物憂さ 屋根に落ちる 甘い音よ けだるい心に 雨の歌よ わけもなく 降る涙 叛逆?? 否 喪だ 悲しく痛く わけもわからず 愛も…