caguirofie

哲学いろいろ

2010-11-15から1日間の記事一覧

地中海の晩鐘(#1)

1ヘファイストスの混沌に漿液が鋳られて 母なる海が胎児を浮かべ 褐色の大陸を押し開けて 青い輝きを発すれば 白い島々に 錨が降ろされ 斑鳩(いかる)の群れが 帰ってくる ブリアレオスの葦が母をさまよい 潮流の深みに光る糸を垂れれば 静穏の鐘は明晰を…

地中海の晩鐘(#0)

・・・地中海文化がひとつの現実であったときは ヨーロッパもアフリカも存在してはいなかった。 (ホセ・オルテガ) 赤いエトナが海に落ちる 緑が山に踊り出し 雨が至点を通る頃 オリュムポスの黄昏に 太陽の群れが傾いて 二つの月がくっきりと現われる頃 赤…