caguirofie

哲学いろいろ

地中海の晩鐘(#5)

5.

すでに
伝説の王シャルルマーニュの後を襲う
聖なるローマ皇帝の誕生を見て
法皇の季節――


王女エウロペの抱く二人の孫たち
月の教会の子女たち
兄弟らは
月の聖墓をめざして
十字の章を送り


緑の島は
ヴィキングを遣り
イリアスを見守る


群小のアキレウス
一人のサラディンを凌ぐことあたわず
月の世界の抗争は
地上に堕ちて続くころ


アラベスクの宮殿に住む
シチリアの王国は
聖なるローマ皇帝ハインリヒ六世に嫁ぎ


島には
あのアンジュー家の狼を迎えるまで
あの荘厳の《われらの海》を
追う四代の虎を見
赤いエトナに褐色の砂が積もり
赤い糸が織られてゆく

永遠の都に照る月の司祭は
カエサルの東の太陽と向かい合いながら
新しく興る都市を従え
西の太陽と着いては離れ離れては着き


西の小カエサル
古くからの惑星を従え
東の月を襲い
西の司祭のすきを伺い


島には
ノルマンのタンクレードが落ちて以来
エウロペの陽と月がめまぐるしく
上り沈み
山に砂が積もり
赤い糸が織られゆく


太陽フリードリッヒ二世 島の一世――
夢を追うゲルマンの残虐ハインリッヒと
良き時代(ベル・エポック)の島の王ロジェ二世の妹
コンスタンスとの間の子
詩聖には異端を問われ
地獄の第六圏に葬られる近代の先駆者
第一の月の使者の生誕より
一二二〇年のあとローマで戴冠する
神聖ローマ皇帝フリードリッヒは


母からの血をハーレムの中に見て
破門に対してカノッサには赴かず
吟遊詩人(トルバドゥール)の歌の流れる中
ヤハウェーとアッラーの梟の使者らを招き
アラブを話しイタリアを話し
フランスを話しギリシャを話し
古えの太陽の群れを見るアヴェロエスを語り
アリストテレスを語る


島に砂が積もるとき
伯父〔王〕を継ぎ
叔父の裁判所(アシーズ)を継ぐ
メルフィの憲法を残し
議会(パルルマン)を生んで逝った
島の最後の緑の王





女化原一
伝説の世界(狐女房譚) 
http://www.ushikunuma.com/onabake/onabake1.htm
§民間伝承、狐女房譚


カクエモンの家は夜中に狐が田植えをして朝起きて見るとすっかり終わっている。

栗林義長は、女化原の狐の子孫!?
http://www.rekitabi.sakura.ne.jp/yoshinaga/yoshinaga_history01.htm
正体が知られる前に自分から打ち明ける。女化ケ原にいると告げて去る。

  • 形見を与えることあり(葛の葉)

 葛の葉もおなばけの狐も うたを残して去る。
 つうは ない。