敬語の起源
敬語の起源
1. 《うやまひ》説:相手を互いに同等・対等な人間と見ることによる。
・ その自由対等を確認する意味で たとえば《言う》を《言われる》とわざわざする。
・ レル・ラレルは 自然生成の相。それゆえ 親愛称をつくる相。
・ 我レ・汝(な)レ・彼レのレである。我れ・ラ / 高ラ=宝(推測です) / 清(きよ)ラのラです。
・ それゆえ 言わレルというウヤマヒ表現は 互いの自由の確認を親しみを込めておこなおうとしている。2. 《敬遠》説:相手は どこの馬の骨だか分からないといううたがいを持つところから出る。
・ ただし (1)のウヤマヒを欠かさない。ゆえに 敬してとおざける。
・ あまりひとのふところ深くへは 踏み込まないでいようとする心つもりを表わそうとした。
・ 付かず離れずの関係を保つためにウヤマヒつつ(自然な人間関係をよそおいつつ)それ以上は深入りしないでおこうという。3. 《身分関係》説:上下関係をことばによる表現にも表わそうとする何かのきっかけがあったとする。言いかえると 身分の世襲を前提としていると思われる。
・ 《まなざしを 上からそそぐ側と下にいてそそがれる側との関係》を表わそうとした。
・ そそがれる側つまり一般に命令を受ける側は そのささやかな地位を守るためにだけとしても その身分関係を損なうことは出来なくなる。これを 言葉による表現に表わす。
・ エライ人がものを《言う》場合は 《のり(告り=掟・法)たまふ→ のたまふ》となる。
・ あるいは 《おほせ(負ほせ=負はせ=背負わせる。課し命じる)‐ある→ おっしゃる》。
・ 韓語の《マルスム(おことば)》を借用してこれを動詞にした。すなわち《まをす=まうす=もうす》。
・ 申すは 必ずしも謙譲語ではなかった。荘重語と言われもする。4. 《身分関係語》からの特殊な複雑な進展:尊敬語から二重尊敬語が現われたごとく。
・ 身分の高いひとは 自己尊敬の表現を用いるようになった。自敬表現。
・ それに合わせて 下の者は 自己を低める謙譲表現で答えた。
・ これは 身分制社会の華であるか? あだ花であるか?5. その後の展開やいかに?