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哲学いろいろ

【Q:敬語法による表敬は 何を表わしているか?】

https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9445274.html


○ 自然生成的な《うやまひ》を示そうとしたか。
○ それとも 社会の成り立ちにしたがって出来た身分制の身分関係を示そ
うとしたか。


両方だという見解を仮説として持ちます。
そこで 問いは しかしながら・またはしたがって 身分制に沿って上下関
係を示そうとした敬語法は すたれる。のではないか?
これを その起源説と合わせて 問います。


§ 敬語の起源について
 

( a ) 《うやまひ》説:相手を互いに同等・対等な人間と見ることにおい
て うやまふ。


   (あ) その自由対等を確認する意味で たとえば《言う》を《言わ
      れる》とわざわざする。

   (い) レル・ラレルは 自然生成の相を表わす。それゆえ 親愛称
      をつくる相でもある。

   (う) 我レ・汝(な)レ・彼レのレである。我れ・ラ / 高ラ=宝
     (推測です) / 清(きよ)ラのラである。

   (え) それゆえ 言わレルというウヤマヒ表現は 互いの自由の確
      認を親しみを込めておこなおうとしている。


( b ) 《敬遠》説:相手は どこの馬の骨だか分からないといううたがい
を持つところから出る。

   (お)  ただし ( a )のウヤマヒを欠かさない。ゆえに 敬して
      遠ざける。

   (か)  あまりひとのふところ深くへは 踏み込まないでいようと
      する心つもりを表わそうとした。

   (き)  付かず離れずの関係を保つためにウヤマヒつつ(自然な人
      間関係をよそおいつつ) それ以上は深入りしないでおこうと
      いう。


( c ) 《身分関係》説:社会に出来上がった上下関係をことばによる表現
にも表わそうとする何らかのきっかけがあったと見る。


   (く) 言いかえると 一代限りの栄誉がその人に与えられるという
      ような場合を通り越えて すでに身分の世襲を前提としている
      と思われる。

   (け) 《まなざしを 上からそそぐ側と下にいてそそがれる側との
      関係》を表わそうとした。

   (こ) そそがれる側つまり一般に命令を受ける側は そのささやか
      な地位を守るためにだけとしても その身分関係を損なうこと
      は出来なくなる。これを 言葉による表現に表わすことを余儀
      なくされた。

   (さ) エライ人がものを《言う》場合は 《のり(告り=掟・法)
      たまふ→ のたまふ》となる。間違ったことは言わないという
      決め込みが出来上がっている。

   (し) あるいは 《おほせ(負ほせ=負はせ=背負わせる。課し命
      じる)‐ある→ おっしゃる》。

   (す) 韓語の《マルスム(おことば)》を借用してこれを動詞にし
      た。すなわち《まをす=まうす=申す》。

   (せ) 申すは 必ずしも謙譲語ではなかった。荘重語と言われもす
      る。



( d ) 《身分関係語》からの特殊な複雑な進展:尊敬語から二重尊敬語が
現われたごとく。


   (そ) 身分の高いひとは 自己尊敬の表現を用いるようになった。
      自敬表現。

   (た) それに合わせて 下の者は 自己を低める謙譲表現で答えた。

   (ち) これは 身分制社会の華であるか? あだ花であるか?


( e ) その後の展開やいかに?


   (つ) 身分関係は・つまり一代限りの栄誉を別としてその世襲制は 
      人間とその社会にはふさわしくないと考えられるようになる。

   (て) よって 最初のウヤマヒ表現( a )を別として 《身分関係》
      表現としての敬語は すたれる。

   (と) 身分関係の固定をこよなく愛する向きは 身分への表敬表現が
      すたれて行くことについて 近代以降の西洋的な発想や社会関係
      のあり方が影響していると見るようである。ひとえにそうである
      かの問題だと推し測られる。



☆ 自由なご見解を述べられたし。