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もくじ→2007-04-16 - caguirofie070416
第一章g 神の国について
スサノヲのミコトにとって というほどに わたしたちにとって 神の国(真実の現実)は 上に述べたような前史と後史との入り組みあう世界とその動態において あるいはむしろその過程世界を鏡としてのように その鏡をとおして 視られてゆくものであろう。つまりは 一般のわれわれの生活をとおして 臨み見られるものであろう。
この大前提の議論を継いで わたしたち日本人の歴史を いまいちど明らかにして捉えていきたい。かんたんなまとめとして 次のように。
- 神は永遠に王であるのではない。神の国は 歴史的に生起する。
- 神は愛である。人間は この愛を分有しうる。
- 神の国は この世にあっては 地上の国と互いに入り組み混同している。
- 地上の国にあって人は みづからの前史から後史へ 牽きゆかれる存在である。
- 後史に立つ人びとも 前史の世界〔との関係世界〕に寄留しており また激しく接しており その母斑を自分のちからで振り切ったのではない。
- 日本人にとって 神の国は 古事記等の物語に見出され それは〔その限りで〕スサノヲのミコトに始まる。
- スサノヲが 自己が自己であった(前史が後史へ回転した)。かれの歴史をとおして 謎において われわれは おのおの 時として わたしでないわたしがわたしすることが出来る後史を受け継ぐ。
- それは (1)ないし(5)の命題にもとづき 神は愛であるが その神に向かって 神よ わが愛よと言うことによってではなく そのような経験的な愛の孕む罪が取り除かれることによって つまり旧いわたし(前史)が焼き尽くされ死なしめられることによってである。
- このゆえに 人間の歴史は 神の国の歴史的な進展のなかに見出される。この歴史は まだ記録されるようには見出されておらず 実現されていない。
- この新しい歴史は その知解行為として いま日本人の歴史を総点検することによって始められよう。
(つづく→2007-04-23 - caguirofie070423)