タガログ語(2)
フィリピン人の論理思考(!?)
前日の接辞の使用を見ると フィリピン人は よほど論理思考に秀でているのではないかとも思えるのですが どうなんでしょうねぇ。
ほかにもこの論理学は 展開していきます。
動詞 の活用(前日からのつづき)
(4) 受益者=与格を取り立てる場合:接頭辞 i- を賓格辞 -in- とともに用いる。
(5) 手段・道具=具格を取り立てる場合:接頭辞 ipang- を賓格接辞 -in- とともに用いる。* 同じくこの(1)〜(5)の区分法は あとに触れる 《文例》 で見比べてください。
あるいはさらに 動詞の動作じたいの意味内容を形式区分して これをやはり接辞によって表わす。
文例
(1) 動詞: bili =買う
(1‐B)=主語取り立て形( -um- )の完了相にて用いる例
○ B-um-ili ako ng saging sa tindahan para sa guro'.
= Bought I bananas at the store for the teacher.
= わたしはバナナを・・・買った。
(2‐B)=目的語取り立て形( -in- )の完了相に用いる。
○ B-in-ili ko ang saging sa tindahan para sa guro'.
= Bought I bananas at the store for the teacher.
= バナナはわたしが・・・買った。
* 主語の《わたし》は (1‐B)の《 ako 》から簡略形の《 ko 》に変わっている。
* また目的語に対する冠詞が《 ng 》から 取り立てられることによって 《 ang 》に変わっている。
あたかも人造言語のごとく規則ただしく活用しています。
ここまでの規則正しさを日本語に求めるわけではないのですが。
▲ Teresita V. Ramos : Tagalog dictionary 1971-1985