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哲学いろいろ

フラット化する世界(上)

今井賢一による書評(日本経済新聞2006・06・25朝刊23面)

フラット化する世界(上)

フラット化する世界(上)

著者は ジャーナリスト。

《ミドルクラス》の新たな役割が単なる社会的事実としてではなく 著者のいうフラット化社会へ導く主体として また諸知識の合成役(シンセサイザー)として あるいは国際社会紛争の緩衝帯として 多様な網の目のなかで捉えられている。

そうだ。それでは 《フラット化》とはなんぞや。

世界のシステムが指揮・統制の垂直的なシステムから 世界の多様な人々の《接続と共同作業》の水平な仕組みへ移行していくこと。

だという。この《種の仮説設定はいま極めて重要である》と評者は言い 次のようにしめくくる。

著者は

ミドルクラスは 収入の多寡ではなく 心の持ちようだ。

と言う。その心の持ちようなるものが 彼が別の場所で述べている《学ぶ方法を学ぶ》心の姿勢だとすれば それは至言である。

この《ニューミドル》なるスサノヲたち 果たして どう現われてくるか。