仮説をきらうカント氏
仮説をきらうカント氏
▲ (カントは 《仮説をきらう》?) ~~~~~~~~~~~~~~~~
1. 《確実》ということについて言えば 私は自分自身に次のような判決を
言い渡した。
2. ――この種の考察(☆ 純粋理性批判)においては 臆見を立てること
はどんなことがあっても許されない
3. かかるもの(=臆見)は仮説に類するというだけでもすべて禁制品であ
り
4. たとえいかに廉価であっても販売を許さず 発見しだい没収されねばな
らない と。
5. いやしくもア・プリオリに確立されるほどの認識ならば 絶対に必然的
と認められることを欲する とみづから宣言するものだからである。
6. ましてア・プリオリな一切の純粋認識を規定しようとする場合には尚さ
らである。
7. ア・プリオリな純粋認識を規定することは あらゆる必然的(哲学的)
確実性の規準となり 従ってまたかかる確実性の実例にもなるのである。
(『純粋理性批判』 篠田英雄訳 第一版序文 Ⅸ )
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8. けれども 純粋悟性概念とその純粋認識としてのアプリオリ性 あるい
は分析的判断に対する総合的判断――これにおいて アプリオリ性がはたらく
らしい――といった主張はすべて 理論であっても 想定であり仮説である。
9. 自分の仮説によって 認識をめぐるコペルニクス的転回が成ったとすで
に決めつけている。のでは?
10. ほんとうに・まじめに仮説を論証しようとしているわけではないの
ではないか?
11. そういう問題だと見たほうがよい。
☆ ご批判をたまわりたく。