印欧語族の話(4)
“I” は ego である。
言語 | ・ | ・ | ・ | ・ |
サンスクリット | a | h | a | m |
ギリシャ | e | g | o | o |
ラテン | e | g | o | ・ |
ヒッタイト | u | k | ・ | ・ |
ゴート | i | k | ・ | ・ |
ドイツ | i | ch | ・ | ・ |
デンマーク | je | g | ・ | ・ |
古ノルヱイ | e | k | ・ | ・ |
古英語 | i | c | ・ | ・ |
英語 | I | ・ | ・ | ・ |
リトアニア | a | sh | ・ | ・ |
ロシア | y | ・ | a | ・ |
イタリア | i | ・ | o | ・ |
スペイン | y | ・ | o | ・ |
フランス | je | ・ | ・ | ・ |
- / g / は / k / と交替しうる。/ k / は / h / と交替しうる。(カカ(嬶)とハハ(母))。/ h / は消えうる。(はふ=這ふ⇒はう)。または / g / が / gw / と成って / w / に変わりうる。(ワイワイガヤガヤ←ワヤワヤガヤヤ)。/ w / は 何か強めるための必要がなければ 緩まる。(ゐど(井戸)⇒いど。をろち(大蛇)⇒おろち)。
- イタリア語は イーヨと発音し スペイン語は ヨ(または ジョとも)である。フランス語は ジュ。ロシア語は ヤー。
- ちなみに “I”も ego も 《わたし-は / わたし-が》という意味の語である。“me”というのも《わたし》ではなく 《わたし-を / わたし-に》である。ハ格やヲ格を除いた体言としての《わたし》という語は これらの言語にないらしい。代わりに 《 das Ich 》とかと言うらしい。英語で ギリシャ・ラテンのエゴを用いるとそれは《わたしなるもの》という意味を帯びるらしい。
- ギリシャ語 egoo (εγω)は オ音を言わばふたつ用意している。(ωという文字じたいが ο(オミクロン)を二つ重ねたかたちから成る。オ・メガ オ・ミクロンという言い方も 大きいオと小さいオという意味である。メガとミクロとである)。
- それは サンスクリットが aham というようにハンが 一音節プラスアルファであるかのようなのと呼応しているのか。
- 日本人にとっては 周りの国の言語が自称の言葉を表わすとき 《わたし・わし・わたい・わて・わい・あたし・あちし・あっし・あたい・わー・わ》といったふうに言っているともし知ったら それらは 兄弟親戚だと思わねばならない。
I
12c. shortening of O.E. ic, first person singular nominative pronoun,
from P.Gmc. *ekan (cf. O.Fris. ik, O.N. ek, Norw. eg, Dan. jeg, O.H.G. ih, Ger. ich, Goth. ik),
from PIE *eg-, nominative form of the first person singular pronoun (cf. Skt. aham, Hitt. uk, L. ego (source of Fr. Je), Gk. ego, Rus. ja, Lith. aš).
Reduced to i by mid-12c. in northern England, it began to be capitalized mid-13c. to mark it as a distinct word and avoid misreading in handwritten manuscripts.
The reason for writing I is ... the orthographic habit in the middle ages of using a 'long i' (that is, j or I) whenever the letter was isolated or formed the last letter of a group; the numeral 'one' was written j or I (and three iij, etc.), just as much as the pronoun. [Otto Jespersen, "Growth and Structure of the English Language," p.233]
The form ich or ik, especially before vowels, lingered in northern England until c.1400 and survived in southern dialects until 18c. The dot on the "small" letter -i- began to appear in 11c. Latin manuscripts, to distinguish the letter from the stroke of another letter (such as -m- or -n-). Originally a diacritic, it was reduced to a dot with the introduction of Roman type fonts.