EU
混迷EU 深層変化が噴出
欧州連合(EU)は仏独英のバランスが変化し 統合への牽引役を失った。背景には 政権与党の基盤の弱体化やグローバル化の進展に対する市民の不満などがある。今後 統合スピードが大幅に減速するのは必至だが 統合への動きが逆転することはない。
EU統合の目標は創設以来に欧州に平和と安定をもたらすことであった。戦争を常態化してきた欧州の古い国際政治の基本を大きく国際統合という平和の原理に切り替えたのである。この新しい原理は欧州に深く根付き それが当たり前になり EU統合は平和と安定以上のものを求められるようになった。
EUはいまだに《民主主義の赤字》(加盟国の国民意思との乖離)を解決しておらず 住民の意思をどのように組み込んで運営していくかという課題が残っている。