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哲学いろいろ

山猫日記

国際政治学者、三浦瑠麗のブログです
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ですから、日中韓をめぐる国際政治上の構造が変化しない限り、しばらくは開催することに意義があるという会議であり続けるでしょう。本質的な意味はないけれど、開催することには一定の意味があるというのは、外交の世界以外ではあまり理解されない迂遠な位置づけですが、それこそが、楽観論と悲観論が両立しながら進んでいく東アジアの現実なのです。


日韓には関係改善のインセンティブが存在しない
韓国側は、日本を米国の変数と見ています。かつて、韓国経済が日本経済に依存していた頃には、保守派を中心に日本との独自の関係を築こうという気運が存在しましたが、今や遠い昔のことです。韓国にとっては、米中間のバランスに腐心することはあっても、日本との関係を重視する向きはほとんど存在せず、一方で、親日のレッテルを張られるリスクはかつてなく高い。韓国のリーダーにとって対日関係は、リスクばかり存在してメリットのほとんどない関係となってしまったのです。
国際政治の構造上も、世論にも支えられていないのだから、進展のしようがないと理解すべきです。