caguirofie

哲学いろいろ

2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

季節が走っていたので

それは化粧室であるかも知れない 楽屋でもあり 舞台でもあり 明日は 桟敷に飛ぶかも知れない 木陰であったかも その寺の境内でも 坂道の途中でも この鉄道のプラットフォームの 脇でもあったかも ひとりの男が走りつづけていた ぼくが 走りつづけていた 幼な…

分身の概念

ものが見えるとき 問わないひとも ものが見えすぎるとき 落ち着かなく 黙るために 無意味を発し始める 紙くずに窒息すると 踊りあがって凝視する 頭の中で拒んでいても 画家気取りのスケッチを語る ばかみたいに 〈わたし〉 ぼくはこの〈わたし〉をしゃべり…

青空

まわれ まわれ 真っ赤な虚空を わが環球よ まわれ 己が連山の端から 限りない粉雪の降り積むように 芽吹き 己が青い半環の上に 朝の陽射しの映えるように のぞくとき わが環礁よ まわれ まわれ

三一性の図式

◆ (創世記1:27) 神はご自分にかたどって人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された。 ☆ この内容を図式において示すかたちです。 ○ (ひとと社会の成り立ちについての図式) ~~~~~~~~~~~~~~~~ 光のたとえ・・・・・・・・・…

きょうの風

突き破ることはない 風のあわいから 蝸牛の歩みを心して 陽射しの重なりを 突破らなくともよい 見守るのだ 高層ビルのガラス窓から そびえる風が降りてきて 十七歳の路地に吹きすさぶ 確かな歩道を見すえて 地下水の流れるがままに 留まるのだ 帆を揚げよう …

ゆめまたゆめ

みることとてらすこととの ゆめをほどいて ほりをとびこえた 現実がうごかなかったから 無縫のゆめをほどいていた 秩序がゆめをゆめみていたから ねむった ねむった ねむりをねむり しゃぼんだまが やねまで やねまで やねまでとんで 向こう側で連帯のきっす…

承認されざるぶぶん

はじめに卵黄があった そして 傷まざる朝があった 名づけ得ぬ天穹に向けて 投げつづけた 朝の 果実が きょうだった 少年は笑ってみせた 聴衆に向かってではなく 観衆が拍手の安心を返した 卵白が揺れたろうが 唇がやや固いと思ったが 満足のゆく微笑みだった…