2010-12-02 分身の概念 詩 ものが見えるとき 問わないひとも ものが見えすぎるとき 落ち着かなく 黙るために 無意味を発し始める 紙くずに窒息すると 踊りあがって凝視する 頭の中で拒んでいても 画家気取りのスケッチを語る ばかみたいに 〈わたし〉 ぼくはこの〈わたし〉をしゃべりすぎていた 見てはならない自問の森を 恐ろしさが窮まると身体が受け入れてしまうように つぎつぎと控訴していた 森の自然を恐れるひとも 敢然と安心してしまうまで