caguirofie

哲学いろいろ

きょうの風

   突き破ることはない
   風のあわいから
   蝸牛の歩みを心して
   陽射しの重なりを
   突破らなくともよい
   見守るのだ


   高層ビルのガラス窓から
   そびえる風が降りてきて
   十七歳の路地に吹きすさぶ
   確かな歩道を見すえて
   地下水の流れるがままに
   留まるのだ


   帆を揚げよう
   風でつくった帆を揚げよう
   地下水の潤うがごとく
   高鳴る歩みの帆を
   明日を射す光がとどまり
   戯れを聞くきょうの時刻の