2010-12-01 きょうの風 詩 突き破ることはない 風のあわいから 蝸牛の歩みを心して 陽射しの重なりを 突破らなくともよい 見守るのだ 高層ビルのガラス窓から そびえる風が降りてきて 十七歳の路地に吹きすさぶ 確かな歩道を見すえて 地下水の流れるがままに 留まるのだ 帆を揚げよう 風でつくった帆を揚げよう 地下水の潤うがごとく 高鳴る歩みの帆を 明日を射す光がとどまり 戯れを聞くきょうの時刻の