2010-12-01 承認されざるぶぶん 詩 はじめに卵黄があった そして 傷まざる朝があった 名づけ得ぬ天穹に向けて 投げつづけた 朝の 果実が きょうだった 少年は笑ってみせた 聴衆に向かってではなく 観衆が拍手の安心を返した 卵白が揺れたろうが 唇がやや固いと思ったが 満足のゆく微笑みだった 生かされていると感じたろうか 少年の感動はどこからきたのか 響きただよう上をながめて ぼくはどこを向くべきか 惑った