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哲学いろいろ

<淡路・舟木遺跡>新たな大型の鉄器工房跡 国内最大級か

毎日新聞 1/25(水) 17:03配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170125-00000050-mai-cul
 

弥生時代後期 鉄製品57点と工房含む竪穴建物跡4棟発見


 兵庫県淡路市教委は25日、弥生時代後期の舟木遺跡(同市舟木)から大型の鉄器工房跡を確認したと発表した。遺跡中心部の状況を把握するため狭い範囲で溝(トレンチ)を掘って調査した結果、鉄製品57点と工房を含む竪穴建物跡4棟が見つかった。同遺跡全体の鉄器工房の規模が、南西約6キロにある国内最大級の鉄器生産集落で国史跡の五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡(同市黒谷)をしのぐ可能性があるとしている。


 舟木遺跡は約40ヘクタールの大規模な山間地集落遺跡。これまでに約5700平方メートルを調査し、弥生時代後期の竪穴建物跡10棟や土器、中国鏡の破片が出土しているが、鉄器工房は確認されていなかった。


 2016年度は遺跡中心部の尾根沿いに7本の溝、計128平方メートルを掘り、弥生時代後期後半(2世紀後半)の竪穴建物跡4棟を確認した。3棟は直径10メートル前後の大規模な円形で、うち1棟から床が赤く焼けた炉跡4カ所が見つかった。もう1棟は四隅が丸い隅丸方形建物だった。


 鉄製品は破片を含む57点で、明確な使途は分かっていないが、鍛冶に関連したものと、工具とみられる針状のものなど。鉄の加工に使った台石や砥石(といし)など石製工具42点や、祭事用と考えられる弥生時代終末期(3世紀初頭)の土器も出土した。


 市教委は、建物跡は鉄器生産工房と、鉄工具を使用した何らかの生産工房で、大規模な工房群の存在も想定できるとみている。淡路島北部には弥生時代後期の遺跡群が集中。3ヘクタールの五斗長垣内遺跡からは127点の鉄製品が見つかっている。同遺跡では終末期の土器は出土しておらず、同遺跡の消滅後も鉄器生産を続ける集落が存在していたことが裏付けられたとしている。


 市教委は「淡路島北部が鉄器の製作や保有で近畿でも極めて重要な地域だったのではないか」とみており、「古事記」で国生みの地として伝わる淡路の古代史を究明するため、舟木遺跡の重点調査を続ける。


 2月5日午後1時半から、北淡震災記念公園セミナーハウス(同市小倉)で発掘調査成果報告会がある。同市教委(0799・64・2520)。【登口修】