文献資料その他
- なだいなだ氏が 書いている。
- ヨリ(憑)原始心性とヨセル歴史知性との呪術宗教に関してと捉える。
昔には分裂病(統合失調症)はなかった。名前がなかっただけではなく 病気そのものがなかった。その代わりに昔の部族社会では 神がかりの形の精神異常だけがあった。それは当時の社会には必要な異常であり ときに応じてその異常状態になることも ならせることもできた。戦争をし 女性を暴行し 子どもまで含めて 相手の部族を皆殺しにするような残虐行為を犯させるには そのような異常状態になる必要があったし さもなければ 人間は感情と良心との葛藤で金縛りにあうから それを治療するために 神がかりになる必要があった。また こうした神がかりは 集団内部で伝染した。どちらの場合も呪術が大きな役割を果たした。呪術によって神がかりという病気にすることもできたし またその病気から回復させることもできた。
呪術的宗教の影響力が強いころはそれが可能だった。だが 近代に入って 宗教の呪縛の力が次第に弱まるにつれて 精神的な異常は呪術によってコントロールできなくなり その代わり 分裂病のような治りにくい 孤独な病気が起こるようになった。神、この人間的なもの―宗教をめぐる精神科医の対話 (岩波新書)
- 作者: なだいなだ
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/09/20
- メディア: 新書
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- 第三十五章2005-08-25 - caguirofie050825に採り入れた。