caguirofie

哲学いろいろ

男系による万世一系は 

神武天皇以前は別となるのか
Q&Aのもくじ:2011-03-26 - caguirofie


 ○  神(宇宙なる非経験の場:マクロコスモス)および信仰(わが心なる非思考の庭:ミクロコスモス)ならびに〔信仰の偽造物たる〕宗教にかんする一般理論
 
 第五章 多神教は その一まとめとして一神教である

  趣旨説明の(3)から:
 
 § 5 ‐ a 《国体》についての補論: 男系による万世一系は 神武天皇以前は別となるのか

 たとえば 次のように受け取られています。
 ▲(ヰキぺ:万世一系) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%87%E4%B8%96%E4%B8%80%E7%B3%BB

 § 2 起源と正統性
 §2.2 日本神話

 日本神話に登場する初代の天皇神武天皇から現在まで、天皇の王朝が断絶せずに皇室が日本を一貫して統治してきたとする史観を形成し、万世一系は国体において不可欠なものとされていた。
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 1. 神武カムヤマトイハレヒコの遺伝子で男系を引き継ぐY染色体が受け継がれているのは 日本人としていくらでも・どこにでもいるということだそうですが この観点はいま別とします。(さらに詳しくおしえていただけるなら さいわいです)。

 ▼ (遺伝子から見た男系天皇論)
  http://wave.ap.teacup.com/renaissancejapan/111.html

 2. ここでは 神武天皇から百二十幾代にわたって現代にまで 男系の同じひとつの血筋がつづいて来ているとしてみて そのほかに 神武イハレヒコより前の世代については どう扱うのか? これを問います。

 3. それより前は 神代だから問題にしないのか? 神代と人代とで切れていると見るのか?

 4. それでも 神武イハレヒコの父のアマツヒコヒコナギサタケウガヤフキアヘズをさかのぼり マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミに到ると その親は アマテラスである。
 
 ▲ (アマテラスからの系譜)
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Emperor_family_tree0.png

 5. このアマテラスは ひとつに女性であり もうひとつにタカマノハラの主宰神であって天皇家の祖であるとされている。では いまの主題としての男系の万世一系は このアマテラスにまで行き着くか? 行き着いても別の話なのか?

 6. アマテラスの息子――神代の話ではあるが そういうふうに見てみます――のオシホミミは では その父親は誰なのか?

 ▲ (アマテラスとスサノヲのウケヒ)
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Challenge_of_Amaterashu_and_Susanoo.svg

 7. すなわち 姉アマテラスと弟スサノヲとは スサノヲがその心の清きをアマテラスに疑われたので ウケヒという裁判をおこなった。
 アマテラスがスサノヲの持っている十拳剣(とつかのつるぎ)を受け取って噛み砕き、吹き出した息の霧からは 女(三神)が生まれた。
 しかるに スサノヲが アマテラスの《八尺の勾玉の五百箇のみすまるの珠》を受け取って噛み砕き 吹き出した息の霧からは 男(五神)が生まれた。そのひとりが オシホミミである。――オシホミミの父親は誰か? 

 8. オシホミミは 誰の子でもないのか? ツルギをかみ砕いたりしており 勾玉をかみ砕いて吹き出した霧から生まれたのだから 母も父もいず ただアマテラスの子であると見なされただけなのか?

 9. それとも スサノヲもアマテラスも――その誕生は 必ずしも尋常のものではないが(母イザナミがすでに死んでから生まれている?)―― 父親は ともにイザナキとされているから けっきょく神武イハレヒコの Y 染色体は このイザナキから来ていると見るのだろうか?

 10. ただし だとすれば その同じ遺伝子を 末っ子のスサノヲも受け継いでいるからには スサノヲの子孫も 同じく天皇家と同じ血筋になる。ということか?

 11. 神武イハレヒコの以前は 万世一系にとって問題とはしないのか?