2010-11-30 衣裳革命 詩 森のかなたに舟が乗り上げ 枯渇したおおかみが 孤影の塵を巻き上げて 赤く焼けた稜線が 千年王国を迎えるがごとく 両手を打ち拡げて ぼくはゆえもなく衣裳が剥げて ビル街の丘に立ち昇り ちちを祭っていた 昼下がりからの遠吠えが湧きあがっていた いっぴきの精子は何を語るか 革命の残照? 信じたいという原初のうめきが コムミュウヌを形成していた ちちを問わないものよ しかも血塗られた声を聞きながら ながめ続けるものよ 心して 衣裳をえらべ よき読者たらんとするとき 創造はかなわないのだから