2010-11-23 九回裏の恐怖 詩 深海のあんこうが 翼を生やして飛んだところでどうなるのか どんよりとにじむ 傷口を昼行灯で照らして 動脈のありかを探すべきだ 飛び魚がはねたところで 密室の秘儀が官能を失うとでもいうのか 戦後だの六十年代だの 航路を追って汚物を告発しようというのか 潜航艇をもって任じよ どよめく潮流を測れ 海底火山となって 十二ページと十三ページの間を思え