caguirofie

哲学いろいろ

ガラス越しに

長の雨がまた降り出したようだ
信号が変わって
コーヒー色の涙が
歩道を横切って来た


園児の母の傘のブレーキ
渡ったようだ
交差点のコーヒーの二つのカップ
なんぢの砂糖のオデュッセイ
われの信号の交通整理


一瞬のスプーンが
果てしない荒野を現じたようだ
カカオの霧が視線に分かれて
黒い瞳が飛び込んで来た


指を伝って流れ出る煙は
プラトンの対話
それともダルタニャンの剣


ガラス越しに
戦車の踊りのシュプレヒコール
アスファルトのぼうふらのアンガージュマン


長の雨の秋の海の週末の昼 下がり
止んだようだ
アングルのヴィオロン