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哲学いろいろ

<昭和天皇メモ>関連

合祀問題で民主党内に温度差 争点化厳しく

(2006年7月21日22時23分 毎日新聞)

昭和天皇靖国神社へのA級戦犯合祀(ごうし)に不快感を示していたメモの発見について、民主党は、小泉純一郎首相の靖国参拝に反対する従来の主張を下支えするものとして基本的に歓迎している。ただ、合祀問題の解決策については幹部の間に温度差もあり、現時点で争点化する機運は乏しい。

  1. 天皇の個人的な発言が 政治にかかわりがあるとは聞いたことがない。
  2. かかわりがあるとするのなら 苗字をつくって 一市民として 選挙権もあるというふうにしてからにして欲しい。
  • 天皇表現の自由があるとするなら 発言はこれも自由で さらに それが社会的なかかわり(影響)をもつということもあるかも知れない。ただし それも広く自由な議論を経てからの問題。
  • 天皇の意見だからという理由は ほとんど理由にはならない。ほとんどと言ったのは 当事者の意見はとうといという場合にあてはまるかも知れないからである。けれども すべては 誰のものであれ 意見の内容をどう評価するかのみの問題である。
  • ほとんどの人が 分かっていない。
  • 《平和への希求がほんとうであること》と 《A級戦犯靖国に合祀されて責任が解除されることによって責任が 最終的に――旧憲法のもとでではなく 新憲法のもとで――自分にふりかかってくるのを避けたいということ》とは 両立しうる。《実際の指導者たちに〈戦争を始めた責任を負え〉ということ》と《一般に 平和を希求すること》と《もうそれだけに(つまりA級戦犯の裁判までに)とどめておいて欲しいということ》とは互いに矛盾しないと思いうる。
  • マッカーサーも存続を認めてくれたじゃないか》《お前たちは すすんでおれの代わりに責任を負う務めをはたしてくれたではないか。それによって得られた公共の秩序と安寧を なぜ いま変えようとするのか。そんなに合祀されたいのか。だとしても おれが死んだときでもいいじゃないか。なあ お前たちよ。》

上の質問では 論議が起こっている。たとえば次のアンケートでは 発言メモの中味の評価については 何も 触れない。

靖国問題でひとこと:いまの憲法のもとで 靖国神社を国の施設として作るわけがないということが大きいと思うのだが。

#13

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について――
もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708

章一補 《観念の資本》小論Ⅰ――空蝉論つづき――

空蝉と源氏とのやり取りは こうである。観念の資本のいわば傘を差し出したり その傘の中にわざと入ったりして 会話がつづく。

――など かく 〔私を〕うとましき物にしも〔御身は〕おぼすべき。おぼえなき様なるしもこそ 《契りある》とは 〔御身は〕思ひ給はめ。〔御身が〕むげに 世(=男女の仲;対関係)を思ひ知らぬやうに おぼほれ給ふなむ 〔私には〕いとつらき。 "Why must you so dislike me ? Don't you know that the unexpected encounters are the ones we were fated for ? Really, my dear, you do seem to know altogether too little of the world."
と恨みられて
――いとかく 〔私が〕うき身の程の定まらぬ ありしながらの身にて 〔御身の〕かかる御心ばへを見ましかば 《あるまじき我れ頼みにて 見直し給ふ後瀬(のちせ)もや》とも 〔私は〕思ひ給へ慰めましを。いとかう 仮りなる浮き寝の程を 思ひ侍るに 〔私は〕たぐひなく思ひ給へ惑はるるなり。よし 今は 《見き》と 〔口に〕なかけそ。 "If I had met you before I came to this, then I might have console myself with the thought----it might have been no more than self-deception, of course----that you would someday come to think fondly of me. But this is hopeless, worse than I can tell you. Well, it has happened. Say no to those who ask if you have seen me."
とて 〔空蝉の〕思へるさま げに いと ことわりなり。
(帚木――源氏が空蝉の寝所に忍ぶくだり)

ただちに論証はしないが このやり取りは 言っている内容が それぞれ互いに相手の思っていることをあたかも奪い取ったかのごとくである点がおもしろい。

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