caguirofie

哲学いろいろ

いのり

   私の頬を打つ一筋の偽りの涙よ
   私は今起とうとしている
   だから 打たないでくれ
   そっと微笑みの中に流れてくれ
   だから


   私の頬を打つ偽りの呪いよ
   こめかみを伝って私を促す呪いの鼓動よ
   私は今発とうとしている
   だから呪わないでくれ
   だからそっと気取らず おごらず
   私の胸を流れてくれ
   悲しみの極み 喜びの初め
   偽りの出発ち 偽りの呪い


   だから そっと そっと光をしまっておいてくれ


   偽りの馬車が迎えに来た
   四頭立ての馬車は今 回転を止めて
   輪のあたりにころげ落ちそうになる私を
   拾おうとしている


   馬車が偽りか ころげ落ちるのが偽りか

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