かのじょは何を食べているのだろう
ぼくの悲しみ それとも 嘲り
第五の次元というのもまやかしだ
かのじょも水面に姿を映すからには
この時空間を呼吸している
愛も晦渋だ しかし ぼくたちの
この手が質量へと変えている
それは
あるいは この家 この空が
ぼくには見えないから
きのうも明日も
ぼくは つかもうとしないから
かのじょは ぶらぶらとやってくる
去年も 先週も
天井を見つめていたことがあったっけ
風を蹴ったこともあったっけ
しかし かのじょはいつも
――いったい いつ眠るのだろう――
泳ぐときも 歩くときも
今朝もまたカーテン・コールだ
いや 暗転だ
・・・
Ararat