caguirofie

哲学いろいろ

#8

もくじ→2008-07-30 - caguirofie

第一章 《アマテラス‐スサノヲ》体系――その神話的・黙示的世界をとおして――

第二節 《ブラフマン》唯一非顕現神構造

§9

ブラフマンには 二面の性格があると要約した。が おそらく その一方の側面は その個々の内容は それほど重要でないと思われる。それは その一方の性格というのは 宇宙万物の創造者としてのブラフマンであるが それはあくまで《初源の唯一者》であるという一点において〔のみ〕重要であり それは もう一方の性格側面としての《祭祀》の契機と深くかかわることによって 重要であると考えられるからである。いづれにせよ 少しく まづ初めに 想像者ブラフマンの側面に焦点をあてて見ておこう。
たとえば 西欧的社会形成態としての絶対唯一神構造では 《初めに ロゴスありき》と述べられるように 明確に その《唯一絶対性》がロゴスとして実存すると見られる。《ロゴス》とは あらゆる《言語〔行為〕》であり 言語とは 言葉による行為および行動による行為である。このロゴスが 《神》であったと言う。絶対唯一神体系は あとに追って触れていきたいと考えるが まづこのように始まる。それは おそらく 体系じたいも或る意味で 顕現された絶対的構造を有するかのようである。
そこで そのような西欧の系譜における構造〔と社会形成との関係など〕に対して 同じく ブラフマン唯一神構造も まづ その《唯一の初源性》について 或る程度 明示的に捉える実用があるだろう。その意味では まづブラフマンの第一の性格について 原典からも引用を行なって ひとおりながめておこう。

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