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哲学いろいろ

#35

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§8 小林昇(稿)《 Das Japantum について――住谷一彦『日本の意識―思想における人間の研究 (同時代ライブラリー)』を机上に》―― e

§8−5

労働の分業=協業(そこで ハードウェアの道具・機械等も用いられるであろう)
というソフトウェア知性の発明――つまり それまでにあった分業という考え方の新しい実践――の実例をもって A・スミスは かれの政治経済学を書き始めている。これが 狭義の推進力としての知性の問題を――科学および政策の問題を――あらわすと見ることができる。共同主観 common sense (これを 同感と言ってもよい)の歴史的な実践・その動態的な過程のことだが したがって ここには――この共同主観じたいも 幸か不幸か 習慣的となり観念化することを免れ難い面もあるのだが―― 既存の慣習エートスとの対立・矛盾をはらんで その闘いとしての《近代化》の側面も 出てくるわけである。殊にアジアでは この広義のエートスの側面から 近代化を論じたがる。

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