#24
――源氏物語に寄せて または 観念の資本について――
もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708
章三 《光源氏‐藤壺》なる対関係 ――観念の資本の動態的過程――
源氏の君は 〔帝の〕御あたり去り給はぬを まして 〔帝が〕しげく渡らせ給ふ御方(=藤壺)は 〔源氏に〕え恥じあへたまはず。 Since Genji never left his father's side, it was not easy for this new lady, the recipient of so many visits, to hide herself from him.
(桐壺――藤壺が入内してのくだり)
藤壺が入内してまもなく 源氏が帝と一緒にいつもいるので 藤壺は会わないわけにはいかなかったというのである。源氏が 十二歳の元服のいくらか前の年のことであり 藤壺はかれより五歳年長である。