caguirofie

哲学いろいろ

#17

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について――
もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708

章二 《光源氏‐夕顔》対関係―― 一夫一婦なる対関係理念――

夕顔論は 言わずもがなの領域に入る。
頭の中将が 帚木巻のあからさまな女性談議において

――なにがしは 痴れ者の物語をせん
(帚木――雨夜の品定めのくだり)

と言って始めたかれの夕顔(常夏)論 だから作者の 従ってその限りで われわれの 夕顔論は ここで言わば おのれをも そしてその座の気配をも すべて《痴れ者》の世界に誘うひとつの領域に入る。

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