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哲学いろいろ

麒麟が来る:光秀論

光秀は 松永久秀が平蜘蛛を信長には決してやらない〔でくれ〕と言われて受け取ったのだ。

もしここで 一たん裏切った信長に――正直に素直に――立ち戻ったのなら 少なくともこの平蜘蛛を献上するときには 信長に立派な志の人に成って欲しいなどと言えた義理ではない。はずだ。

裏切りについての反省などあったものではなくなる。

 




だからであろうか 本能寺で再度信長を容易に裏切ることになる。松永への信義を再度守ることになるが そういう推移を経ていてどれだけのよき人間性があるか。


敵対するふたりのいづれにも信義をつくすことが出来ないことは 分かっている。平蜘蛛を預かってくれと言われたときに しっかりと自分の立ち場を確認し一貫する思想のもとに振る舞え得なかったのだ。その時点で 光秀の人間性は死んでいる。

 

 

それなのに 秀吉に対して デカい顔してえらそうに叱責している。何なんだ この光秀は!? 

久秀に信義をつくすなら 信長を裏切る。信長にあらためて信義を立て直すなら 久秀を裏切る。分かってるのか?

虚構だからと言って こんな人間像は ない。

 

 

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いかなる折も誇りを失わぬ者、志高き者、心美しき者