caguirofie

哲学いろいろ

こころの折れるとき


1. スサノヲは 妣(はは)の国に帰ることにし その暇乞いをするため
に 姉のアマテラスをその治めるタカマノハラに訪ねた。

2. そのときアマテラスは 弟が自分の国を奪おうとしてやって来たのだ
とうたがい 着物の中に鎧を着て待ち構えた。

3. ここでスサノヲのこころがひん曲がった。

4. 姉は いつまでもその警戒を解かない。スサノヲはかなしんだ。

5. ウケヒ(賭けのようなものか)をして こころの清きをあかしたが
そのあと 姉はウケヒの負けをみとめつつも こころの問題で譲歩すること
はなかった。

6. とまどいの中に怒りを覚えたスサノヲは 姉の神殿に糞をしてやった。
7. アマテラスの取り巻きが怒ったが 女王の姉は それにも取り合わず
こころが変わらなかった。

8. スサノヲは 人びとの田んぼの畔を壊し水を流してしまった。

9. 怒った大臣らがそれを訴えると アマテラスは 弟を《かばった》。
土地が惜しい(意味不明?)から弟はそうしたのだろうと言って。

10. 姉の無関心に――そういう人間関係に初めて出遭って――こころを
さ迷わせたスサノヲや 機織り屋の天上から 皮を剥いだ馬を投げ入れた。

11. 機織り女のひとりが 杼(ひ= shuttle )にホトを突き死んでしま
った。

12. 姉のだんまりは 変わらず しかも 黙秘権を行使して 岩屋に閉
じこもった。

13. 取り巻きは あらゆる手を尽くして アマテラスを外に引っ張り出
した。

14. 行政官は スサノヲに罰(膝の上に石を置き爪を抜いたり)を加え
た上で タカマノハラを追い払った。アマテラスも 承認した。

15. アシハラの国のイヅモにたどりついたスサノヲは そこでムラびと
からの願いを聞き入れヤマタノヲロチを退治した。そのあと こころはすが
すがしくなった。

16. アマテラスは スサノヲに対して 心を死なせた。これが ひとに
とって 心が折れるときである。