caguirofie

哲学いろいろ

古代中国語の上古音には,kl-など語頭の二重子音(複声母)があった。

タイ諸語や日本語の読み方と比較するとわかる
http://chinese-language.hatenablog.jp/entry/20150105/p1

ねむりねこ 2017/07/11 20:55

こんばんは。

☆同じような漢字を「カ行」で読むものと「ラ行」で読むものが混在しているので,もとは一つだった,つまり kl- という音だったとわかるのだ。
◇これは呉音(広東語)と漢音(北京語)の違いによるものじゃないんですか。

bragelone

すみませーーん。勉強してみようかと引用しておきました。
そういった方向で 推測を広げてはいましたが。

督(かんとく)と観(かんらん)などのことをちらっと知っていました。

漢字は表意文字であって、表音文字ではないでしょう。
始皇帝によって統一されたのは文字であって、言葉や漢字の読みではないですよ。
狭い日本ですら、標準語が普及するまで、東北の人と九州の人とでは、言葉が違いすぎて、意思疎通が困難であった。
聞くところによると、あまりに分からなすぎて、漢字、漢文による筆談をすることさえあったそうな。
 ――江戸時代の武士は、漢文の読み書きに堪能であった!!――
つい200年前まで日本ですらこのような状況であった。
まして広い中国ならなおさらでしょう。
そもそも、文章語である漢文――統語、文法は同じ――はあるにしても、中国にかつて中国語という一つの言語があったかどうか疑わしいですよ。

bragelone

ここまでのお話を材料として どう判断してよいか まだ分かりません。


仮説としては 次のようだと言うんでしょう?
▲ *kl- > k- or l- の音韻変化
klak : lak 洛(ラク)・ kak 挌(カク)
klan : lan 藍(ラン)・ kan 監(カン)
klen : len簾(レン)・ ken 兼(ケン)
klean;klian : kan 諌(カン)・ len 練(レン)、 
kla : ka 果(カ)・la 裸(ラ)
klyang : kyang 京(キョウ)・ lyang 涼(リョウ)
nglak : ngak 楽(がく)(現代中国 yuè )・ lak 楽(らく)( lè )

☆むかしの中国語に語頭複子音があったことは,タイ諸語のみならず,日本語を見てもわかる。
◇タイはインドに近いですよ。文化、宗教などインドの影響を強く受けています。
タイ語に二重子音があるのは、インド語の影響であって、これはタイ語本来のものではないかもしれない。
タイ語バラモン教サンスクリット、仏教のパーリ語の影響を受けていないはずがない。そして、タイの文字はインドの文字をもとに作られているのだから、インド語を抜きにタイ語は語ることはできないはずです。

タイ語ではなく、ベトナム語を比較に使うべきだと思うにゃ。

bragelone

サンスクリット  brahman> 中国語 梵


▲ 上古中国語における語頭重子音について(タイ語との比較)
http://www.for.aichi-pu.ac.jp/museum/pdf10/joukoon-furuya.pdf

上古中国語における語頭重子音について
『長田夏樹論述集(下)』第 2 章
(原載:『中国語学』第 17 号,1948 年 7 月)
上古音に存在したであろうと想定される語頭重子音(語頭複子音、現在は多く「複声母」
と呼ばれる)について、タイ諸語との比較により深く考えた文である。第 3 章と少し重な
る部分を含む。複声母の問題については、19 世紀中頃の J.Edkins 以来、様々な論議が為さ
れてきた。たとえば「監」(中古咸摂二等平声見母)は、しばしば*klam のように再構され
てきたが、その際、タイ語の khraam A2(indigo、ここの表記は Li1977 による、以下同)と
「藍」の対応が根拠のひとつとなっている
ことは有名である。長田先生は東南アジア諸言
語に対する豊富な知識を駆使して、読者にタイ語の kl- kr- tr- pl- pr- などがタイ語群の他の
各語でどのような対応を見せるかを示したのち、中国上古音の以下のような諧声現象を論
じていく。
第一類 来母と唇音声母や牙喉音声母の関連(洛と格、鸞と變など)
第二類 来母と生母の関連(麗と曬、吏と史など)
第三類 明母と暁母の関連(毎と誨など)
第一類に kl- pl- ml-を、第二類に shl-(ローマ字表記)を、そして第三類には χm-を再構し
ている。第二類について、B.Karlgren(Grammata Serica)のような単純な sl-でなく、Paul Vial
の Dictionnaire français-Lolo によって、Lolo 語(彝語)と同様の、やや特殊な shl-の音を考
えているのは興味深い。
このうち第一類とタイ語の類似性が強調されており、たとえばタイ語の khlɔɔk D2L(to
burn)、lom A2(wind)、plian B1(to change)と「烙」「風」「變」が比較されている。

現在の学説では、来母が r- で再構され、また二等韻や三等韻の一部(重紐 B など)に自
動的に介母 -r- が復元されるため、複声母再構の必要度は減少している。たとえば、
二等 一等 三等 B 一等
監*kram 藍 g-ram 變 prjons 鸞 b-ron
格 krak 烙 g-rak
このように、少なくとも二等韻や三等 B の字にわざわざ複声母を復元する必要はなくな
った。もちろん二等の -r- を声母に属するものと考える人にとってはそれらも複声母という
ことになる。一等の「各」(中古見母)と「烙」(中古来母)のような例では、どうしても
一方あるいは双方に複声母を考えざるをえないのである。
なお B.Karlgren や長田氏が、「禮」liər 上との関連で t‘liər 上と再構した「體」は、今では多
く「體」hrejʔのように無声流音によって解釈される(「禮」は rejʔ)。ほかにも第二類の「吏」
と「史」は rjǝs と srjǝʔ、第三類の「毎」と「悔」は mǝʔと hmǝs、というように再構する研
究者が多い。
参考文献
Li, Fang Kuei. 1977. A Handbook of Comparative Tai, University of Hawaii Press.
古屋昭弘


私は、この説を非常に胡散臭く思いますけれどね〜。
☆(bragelone) 現象として見て 面白そうだと感じます。つまり まだ判断がつきません。