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Q:現代では何かを哲学的に論ずることは難しいのでは・・・?
No.10回答者: lupan344
科学や神学が、哲学から分かれたのは、それぞれの都合です。
要は、哲学が厳密すぎるので、その中では、先に進めないから分かれたわけです。
数学は、形式科学として、その形式で完結する方法へ進みました。(数学の形式としては、根本原因は公理として定義されたものだけに限定したわけです)
科学は、「現象」の分析・解釈・法則化だけに特化して、根本原因は不明でも研究が可能なようにしました。
神学は、「神」の存在はアプリオリな事実として、その存在を証明する事は不要としたわけです。(哲学から、分離した直後は、「神」の存在証明などの継続はありましたが、現在は主流ではありません)
つまり、それぞれが、解明する事をやめた事が哲学には残っています。
また、倫理学などは、哲学としては、主要な分野ですね。
形而上学的な内容も、少なくとも科学は扱わないでしょう。(科学者が、思想として述べる事はあっても、それは科学ではありません)
哲学的に重要な成果を成した人は、歴史的にも少ないわけです。
哲学者自体は、どの時代でも、一定数はいたはずですし、現在もある程度はいるでしょう。
ただし、独自の哲学的言説を提示する代表的な人物は、現在は少ないのは確かですね。
哲学研究の主流がアメリカに移ったのも原因かもしれません。
どちらかと言うと、実学的な哲学者の方が目立っている傾向はあると思います。(こうなると、社会科学との区別が難しくなります)