caguirofie

哲学いろいろ

Exorcist

Q&Aのもくじ:2011-03-26 - caguirofie
 ◇ 福音書の中で、イエスが悪魔や悪霊を追い出している!! 
 ☆ この記事について解説します。――何かと話題は出て来るものですね。

 すなわち イエスの場合は むしろ向こう(その悪霊に取り憑かれたという人たち)から 何らかのかたちでイエスがイエスであるとさとられて 来ないでくれ 近寄らないでくれと言われたことが 象徴的だと考えられます。ことの本質を語っていると思われます。

 すなわち どういうことか?

 すなわち すでにそのキツネ憑きの人たちが 自分たちのことを知っている。自分たちが 悪霊に憑かれているとそれぞれよく知っている。これが すべてです。

 すなわち このキツネ憑きの人びとが すでに《われに還る》ことを知っている。せいぜい まだ憑き物の中に浸っていたいとでも思っていたというくらいのことでしょう。問題は。

 わづかにイエスは その人びとの背中を押してやっただけだという意味です。

 例のミラーニューロン現象でしょう。キツネ憑きの人は その憑き物のことを イエスという鏡の中に見た。しかもその男が 鏡になっているということを知った。鏡になれる存在だと知った。そういう人間がいると知った。

 あとは キツネ憑きが自分たちでその状態にある自己了解を得た。われに還る寸前にまで来た。イエスが背中を押した。

 もっともすぐさま即身成仏するとも限らない。まだなおあとへと尾を引く場合もある。それは 自己了解だけでは済まないという場合であり 言わば世界認識を果たさないと まだ自己の位置関係がさだまらない。

 あるいは 世界における自己の立ち位置はさだまったと思うのだが その位置関係の相手側に対するいろんな意味での過去のいきさつを総括するようなごあいさつをまだ果たしていない。という思いが残っているなら――あたかもたましいの生まれ変わりにあたって 痣やほくろやシミソバカスなどの母斑がくっついて来ていて―― その解きほぐしがなお残っていた。という場合である。

 このとき イエスは 触媒です。自分は何もしていない。変わりない。周りが化学反応を起こす。だけ。というふうにたとえられます。

 これは イエスの人徳であり 非思考の庭におけるアートマンの電磁場の作用によるものだと言えましょう。


 とすれば・こうだとすれば イエスは 別に《悪魔祓い》をしたわけではない。それを目的としていたわけではない。それを 仕事としているのではない。

 けっきょく自浄作用という問題でしょう。自性清浄心ゆえ。