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旧辞本紀・鎮魂・物部氏

史書を読む (中公文庫)

史書を読む (中公文庫)

鎮魂という言葉は今は亡くなった人の魂を鎮め慰める意味に使われるが 古代の鎮魂は全く違う。
『職員令下義解』に「人の陽気を魂といふ。魂は運なり。離遊の運魂を招き身体の中府に鎮む。故に鎮魂といふ」とあるように 魂は肉体を離れて外に遊び出るので 年に一回は招いて身体の中府に鎮め安んずる要がある。だから鎮魂は生きている人のためのものである。
これをミタマシズメとかミタマフリとかいう。
ミタマシズメは体内に鎮めおくことであり ミタマフリは魂をゆり動かして新しい活力を与えることである。
二つの行事は相伴なって全き行事となる。ふるえ ゆらゆらとふるえと呪文を唱えるのは そのミタマフリの方に重きをおいた言い方である。本来宮中で行われたが 物部氏氏神石上神宮でもこれを行った。
旧辞本紀の章p.76)