caguirofie

哲学いろいろ

#38

もくじ→2005-05-13 - caguirofie050513

第二部 唯物史観への批判

第一章 史観ということ

第五節 第三原則への註解

――精神においてではなく 精神をとおしての直視による自己形成は 身体を保持した《霊の人》となるように方向づけられる――
前節に述べた第三原則への註解として 第一部の付録四の註(§36)に述べた《ガラテア書にかんする註解につづいて やはり 《霊の人》の概念を共同主観しておかなければならないと考える。
身体を放棄しないで この今 人間の知解の薄暮において(薄暮であるから われわれはあの光へ確かに自己放棄するかたちなのだが) おぼろげながらも われわれの目的とする視像に達しうると言うのは 当然のごとく 経験的な共同観念現実に根をおろす《肉の人》からの出立を措いてほかには考えられない。

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