caguirofie

哲学いろいろ

#28

もくじ→2007-04-16 - caguirofie070416

第十章b 旅立ち

天平勝宝二(750)年三月一日の暮(ゆふべ)に 春の苑の桃李(ももすもも)の花を眺矚(なが)めて》 大伴宿禰家持は こう詠んだ。

春の苑 紅(くれなゐ)にほふ 桃の花 した照る道に出で立つ少女(をとめ)
春苑 紅尓保布 桃花 下照道尓 出立をとめ

  • 《をとめ》の漢字は 二字とも女偏に感と需。

万葉集 巻十九・4139番)
わが園の 李の花か 庭に降る はだれのいまだ残りたるかも
吾園之 李花可 庭尓落 波太礼能未 遺在可母
(十九・4140)

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