caguirofie

哲学いろいろ

#29

もくじ→2006-08-13 - caguirofie060813

Inter-Susanowoïsme――性・対関係・相聞 2――(その四)

後半では 例によって人麻呂歌集を掲げることにする。まだ取り上げていなかった中から 巻七の旋頭歌形式以外の雑歌の部に載せられたもの。巻七からは 雑歌の部の旋頭歌二十三首および 比喩歌の部十五首はこれをすでに取り上げた。また これらは それぞれ一連の歌群を形成しているが それに対して いま取り上げる雑歌の部の人麻呂歌集所出歌は 《天(あめ)を詠む》《雲を詠む》等々の項目別に 分載されているものである。
ただ 分載されているのであるが その九項目に分かれたつごう十八首は まとめて一連の歌群として 一組の詩編として読むなら これはここで 恰好の素材を提供してくれると考えるからである。
われわれはいま 理想社会を先取りしてもくろむごとく その意味であまりにも前進することを恐れて この人麻呂の相聞の歌に後退する。

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