caguirofie

哲学いろいろ

#37

――ボエティウスの時代・第二部――
もくじ→2006-05-04 - caguirofie060504

§5 ローマへ * ――文学と文明と―― (37)

われわれは テオドリック論を この辺で打ち切ろうと思う。かれが ローマへ向けて旅立ち オドアケルの王国を倒してからは その政治の手法など 見るべきものがあると考えられるが それでも あとは これまでの議論の延長線上にあるとも考えられる。
ボエティウスの時代》と銘打っているから テオドリックのゴート帝国におけるローマ人宰相ボエティウスとの テオドリックの関係をも 見てみなければならないのであるが しかしこれも ボエティウスにかんして かれの若き日の一端を――想像裡に――とらえてみることで 終わらせようと思う。後編の《アテナイのナラシンハ〔とボエティウス〕》が それである。
前章までの議論を 追うことにしたい。以下 《ローマへ》という小題のもとに 三つの章を。

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