caguirofie

哲学いろいろ

un monostique

彼は幸せに免疫でなかった。

deux distiques

私は幸福というものに免疫になろうとして
あなたを貪欲に愛し続けたのだ。


あなたに沿って
わたしは歩く。

故き墓地にて

紫の毛虫の朝のつゆ知らず鬼百合を喰うわがるりたては


照源寺の 裏山の端の
草深き 林の中の
木漏れ陽の 明るい墓地は
少年の日 蝉網かつぎ
幾段も 石段登り
松の木の 回廊巡り
松の木の 黒き鱗に
目を凝らし あぶらわしわし
鳴く中を 息を凝らして
たどり着く 静寂宿す 石の神殿


武士(さむらい)の 領主の家の
代々の 戦勝碑の
列なる間 商家の主の
近代の ひとり大きく
横たわる 真白き墓標
苔生す 角の欠けた碑
黒ずむ 蔦のからまる
古代の碑 八月五日の
灼熱の 陽の神の射る
光の矢 木の葉突破り 銀石貫く

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#15

――ボエティウスの時代・第二部――
もくじ→2006-05-04 - caguirofie060504

§2 バルカン放浪 * ――または 孤独―― (15)

〔愛欲・孤独・精神・・・テオドリックの課題。・・・〕
愛欲を 社会的(経済的)な一つの集団としてみるなら 政治経済学のクラスが 問題である。言いかえると この愛欲が 生存欲ないし生存権から始まって 所有欲ないし支配欲 あるいは 労働・協働の意欲 はては 生産・社会(共同自治)への意欲として 行為関係が成立しているときには 社会科学による考察が あたる。国家の問題も 同様である。
ここでは 愛欲の素朴なかたち 個人的なものに まず限って論じよう。むろん個人的というとき それは 社会関係的ですでにあるしかない。

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