Midi-Pyrenees
Severac, Aveyron
――シンライカンケイ論――
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第三部 風の歌を聞いた――よしもとばななをめぐって――
(2005-04-27 - caguirofie050427よりのつづきです。)
第五十三章 あらゆる原則から自由であろうとするたましい
- 作者: 吉本ばなな
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1998/04
- メディア: 文庫
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(O−1)ある閉塞した状態 時間の流れが停止した期間にいる人達の 《夜》を描いた。
(白河夜船 (角川文庫)〈あとがき〉)
そのうちの一作品《白河夜船》(1989)を読み終えた。
これも 当然の如く 《克服と成長》なる共通課題のもとにある。この主題に《演技》説をかぶせることは なおまだわたしの勝手な・不当な理解であるかもしれないと断わりつつ すすめたい。作品をひとつでも多く読むことは たしかにその主題および作者の趣向が わかってくる。
同じ《あとがき》の中から 次の部分をも引用しておこう。
(O−2) 皆様がふつうに楽しんで読んで下されば幸いです。そしてもし この本に出てくる人々のような気分でいる誰かが 読んで安心してくれたら最高です。(同上)
思想の問題として受け取ってよいということである。まずそう捉えられる。